Happy Mondays – Step on
ビートルズやストーンズやピストルズを聴いて育ちながら、同時にP-ファンクやアシッド・ハウスをクラブやレイヴ・パーティーで踊っていた若者たちが1980年代後半の英マンチェスターで、ハッピー・マンデーズを結成した。
そんな彼らが生みだしたロックとダンス・ミュージックを享楽的に融合させた新しいスタイルの音楽は、瞬く間にイギリスの若者たちに支持され、ストーン・ローゼスやインスパイラル・カーペッツといった同系統のバンドと共に「マッドチェスター」と呼ばれる一大ムーヴメントとなった。
そもそも地中海に浮かぶイビサ島から、マンチェスターのクラブにエクスタシーをこっそり持ち込んだのがハピマンの連中だとも言われているほどで、そんな反社集団みたいな連中でも、当時はチヤホヤされたもんだった。日本ではちょうど、フリッパーズ・ギターなんかがチヤホヤされていた時代だ。なにが「ちょうど」なのかわからないが。
この曲は2ndアルバムと3rdアルバムの間、1990年3月にシングルとしてリリースされたカバー曲で、全英5位というハピマンにとって最大のヒットとなった。
オリジナルは南アフリカ生まれのギリシア系シンガー・ソングライター、ジョン・コンゴズが1971年に発表して全英4位となったヒット曲だ。
このジャンルのよくわからないクセの強い原曲を、ギターのリフとうねるベースが絡む特徴的なハピマンスタイルで、キャッチーなダンス・ミュージックにして見事に生き返らせた。
↓ ジョン・コンゴスのオリジナル。