トッド・ラングレン/ウィー・ガッタ・ゲット・ユー・ア・ウーマン(1970)

Runt

【70年代ロックの快楽】
Todd Rundgren – We Gotta Get You a Woman

トッド・ラングレンの1stアルバム『ラント(Runt)』からのシングルで、全米20位と、彼の最初のヒット曲となった。

「ラント」とはトッド・ラングレン(vo,g,key)、トニー・セイルズ(b)、ハント・セイルズ(d)というトリオのバンド名で、当初このアルバムは、そのラントの1stアルバムだったのだが、なぜか後にトッド・ラングレン名義に変更された。大人の事情でもあったのだろう、きっと。商売的ななにかが。ちなみに2ndもラントとしてのアルバムだったが、これも後にトッド・ラングレン名義に変更されている。

アルバムの全曲をトッド・ラングレンが書いていて、この曲ももちろんそうだ。
ひどく落ち込んでいる友人を助けようと「君に女の子を紹介してあげよう。生きててよかったと君が思うような女の子を探してみる」と歌う、なんだかバカっぽい男たちが目に浮かぶ心温まる歌だ。歌の最後は「もし君にぴったりの女の子が見つかったら、僕にも1人見つけてくれるかな」と締め括られる。良い歌だな。

ポップだけれどもよく聴くと凝ったアレンジで、こだわりが強いオタク気質の彼らしい。

わたしは基本的にどんなジャンルであれオタク気質を持った人間が好きだが、それは「熱量」が伝わってくるからであり、そして必然的に「孤独」になりがちだからでもある。

トッドもこのラントで2枚アルバムを出した後、3枚目のアルバムはほとんどの曲をひとりで全楽器を演奏して作るという、徹底的に孤独な作品となっている。
「孤独」は、磨き上げるとオリジナルの光を放つのだ。

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