Curtis Mayfield – Little Child Runnin’ Wild
「スーパーフライ」と言ったら、特に若い日本国民はあの女性ヴォーカルを思い出すだろうけど、わたしにとってはカーティス・メイフィールドだ。
カーティス・メイフィールドのソロ4作目にあたるアルバム『スーパーフライ(Superfly)』は、1972年公開の映画、ニューヨーク・ハーレムを舞台に麻薬ディーラーを主人公にしたブラック・ムービー『スーパーフライ』のサウンドトラックとして制作された。
サウンドトラックと言っても名曲揃いで、何曲かの大ヒット曲も生まれ、全米1位となった、カーティス・メイフィールドの代表作であり、最高傑作でもある。
当時は〈ニュー・ソウル〉と呼ばれたらしいけれども、そんな単純な言葉ぐらいじゃ収まりきらない、ソウルをさらに進化させてファンクの草分けとなり、ロック的なグルーヴやスピード感、カッコよさも備えている、まさに独創的な音楽を創造している。
サウンド・トラックというより、これはほとんどコンセプト・アルバムだ。それぐらい内容が充実し過ぎている。一瞬たりとも退屈しない。
コンセプト・アルバムの名盤も数多いが、これと比肩できるほどのものは滅多にないだろう。
この曲はアルバムのオープニング・トラックだ。
バンドもホーンもストリングスも一切の無駄のない素晴らしいアレンジ、そしてそれらが一体となった悶絶するほどタイトでキレッキレの演奏に、わたしは打ちのめされてしまった。
それでも他に薦めたい曲もあって、明日アップする予定の記事《はじめてのカーティス・メイフィールド【必聴名曲5選】》からは漏れてしまったため、ここで紹介することにしたのだ。
こんなレベルの名曲・名演が最後まで続く、特にロックファンにこそお薦めしたい大名盤である。