ミート・パペッツ/アップ・オン・ザ・サン(1985)

Up On The Sun

【80年代ロックの快楽】
Meat Puppets – Up On The Sun

米アリゾナ州出身のミート・パペッツは最初、ハード・コアバンドとしてデビューした。
しかしすぐにそのスピードに飽きてしまい、2ndではスピードを落とした、パンクとサイケとカントリーのごた混ぜの暗黒のような名盤を産み落とした。それが昨日紹介した「レイク・オブ・ファイア」が入っている『ミート・パペッツⅡ』だ。

そして翌年の3rdアルバム『アップ・オン・ザ・サン』ではまた作風を一変し、ノイジーなギターも絶叫ヴォーカルもなくなり、かわりにカントリー色が強くなり、全編クリアな音のギターを中心とした、まるで野外全裸バーベキュー大会のような「明るく牧歌的な変態」といった雰囲気のアルバムとなった。
2ndとはまったく方向性も雰囲気も異なるが、ちゃんと芯にはミート・パペッツの変態性が体育座りしている。多様な音楽性を持つミート・パペッツの陰と陽、それぞれの名盤だ。

このタイトル曲は、まるで記憶喪失の男が断片的に思い出せることを挙げているような歌メロに、謎の部族の踊りのような独創的なギターリフが絡み合うド変態曲だ。

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