【ディランのアルバム全部聴いてみた】『ラフ&ロウディ・ウェイズ』(2020)

Rough and Rowdy.. -Digi-

【ボブ・ディランのアルバム全部聴いてみた 69枚目】
Bob Dylan “Rough and Rowdy Ways”

現時点では最新の、ディラン79歳のオリジナル・アルバム。しかも2012年のテンペスト以来、8年ぶりの全曲ディラン作だ。

朗読のような曲もあれば、スタンダード風の曲もあり、「グッバイ・ジミー・リード」というブルースもある。

一聴して耳に残るようなメロディはないが、彼の音楽の原点へ還る旅はもはやメロディがまだ生まれていない時代へと戻ったかのようでもある。

シングルとしてリリースされた「Murder Most Foul(最も卑劣な殺人)」は、なんと16分以上に及ぶ大作である。

「1963年11月、ダラスでの忌まわしい日…」という歌い出しで始まるこの曲は、ジョン・F・ケネディ暗殺をモチーフに歌われ、当時のアーティストや曲名もたくさん出てくるユニークなものだ。これをバックの演奏に乗せて、語りと歌の中間ぐらいの感じで、紡いでゆく。ミュージカルの独り言みたいな感じだ。

とはいえ、英語のわからないわたしは、訳詞を読みながら聴いたものの、ちょっと退屈ではあった。きっとわたしの耳か頭か性格か、またはその全部かが悪いのだろう。あるいはこの年になってもまだまだ未熟者なのだろう。

しかし、2016年にはノーベル文学賞も受賞した、アメリカン・ロックの発展に最も貢献したアーティストでもあり、生きる伝説、人間国宝のような彼が79歳という高齢で作った作品なのだ。別に昔の作品と比べてああだこうだ言っても仕方ない。有り難く拝聴すればいいのである。

しかもこれは、全米2位、全英1位という大ヒットアルバムなのだ。

↓ 「最も卑劣な殺人(Murder Most Foul)」の日本語字幕付きの公式動画。(字幕が出ない場合はYouTubeの設定で日本語字幕をONにしてください)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする