アデル/メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ(2008)

19 [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック3曲収録 / 国内盤] (XLCDJP313)

【カバーの快楽】
Adele – Make You Feel My Love

英ロンドン出身のアデルが2008年にリリースした1stアルバム『19』収録曲。シングル・カットされ、全英4位のヒットとなった。

原曲はボブ・ディランが1997年にリリースした『タイム・アウト・オブ・マインド(Time Out of Mind)』に収録されている。ダニエル・ラノワがプロデュースした2枚目のアルバムとなったこの作品は、わたしはディランの90年代の作品では一番好きな作品だ。この「メイク・ユー・フィール・マイ・ラヴ」も久々の名曲らしい名曲が生まれたと喜んだものである。

アデルのアルバムタイトルの『19』は、当時の彼女の年齢のことである。
これで19歳。信じられるか。
少なくとも場末のスナックで30年ぐらい酸いも甘いも噛み分けていないと、こんな声にならないのではないか。

まるで波乱万丈の人生を一通り経験した女性の生まれ変わりみたいな、熟成してしわがれた声、耳を奪って離さない豊かな表現力、わたしは初めて聴いたとき、圧倒された。

『19』はこの曲だけがカバーで、あとはすべてアデルの自作だ。
よくぞこれを選んでくれた、という感じだ。

ディランの原曲も素晴らしいのに、アデルのバージョンはそれを凌駕するほどの美しさだ。

↓ ボブ・ディランのオリジナル。

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