ヒストリー・オブ・ロック 1969【ハード・ロックの誕生とウッドストック】Greatest 10 Songs

Led Zeppelin 1 [REMASTERED ORIGINAL VINYL 1LP] [12 inch Analog]

1969

アメリカのアポロ11号が月面着陸し、日本ではフォーク・ブームが巻き起こり、東名高速道路も開通したこの年、ロックはさらなる激しい進化の枝分かれを見せた。

ブルース・ロックから進化したハード・ロックが誕生し、サイケデリック・ロックやコンセプト・アルバムの実験による進化から、プログレッシヴ・ロックが生まれた。

一方で、デトロイトからはパンク・ロックの源流が噴き出し、ジョージア州のバンドがサザン・ロックの扉を開き、黒人白人混成バンドがミクスチャー・ロックを創造してみせた。

そしてこの年の8月15~18日の3日半、ニューヨークで開催された《ウッドストック・フェスティヴァル》は、前代未聞の40万人を超える観客(あまりに客が集まり過ぎてフェンスも倒壊し収拾がつかなくなって無料コンサートとなった)を集め、ロック史上に残るフェスティヴァルとなった。
まさに60年代ロックの到達点であり、「愛と平和と自由と音楽」というヒッピー・ドリームの実現でもあった。

しかし、同時に暗い影も忍び寄る。

ローリング・ストーンズのリーダーだった、ブライアン・ジョーンズがドラッグとアルコールの過剰摂取で自宅のプールで水死体となって発見された。

また、カリフォルニア州オルタモントのローリング・ストーンズの野外フリー・コンサートの最中に、バイカー・ギャング団であるヘルズ・エンジェルスに警備を頼んだのが仇となり、彼らのひとりに18歳の少年が刺殺され、他にも3人が事故死するという悪夢のような結末となった。

また、自称シンガー・ソングライターで有名ロック・ミュージシャンとも親交のあったカルト指導者チャールズ・マンソンが率いたヒッピー・コミューン、マンソン・ファミリーが残虐な殺人集団に変貌し、社会を震撼させた。

まるで、60年代ロックの「愛と自由と平和」の夢を象徴した、ドラッグ文化、ヒッピー文化、大規模コンサートのすべてが、一斉にその暗い裏側を露呈したような出来事だった。

以下はそんな、60年代ロックの時代が終わりを告げようとしていた、1969年を象徴する名曲10選です。

レッド・ツェッペリン/コミュニケーション・ブレイクダウン
Led Zeppelin – Communication Breakdown

レッド・ツェッペリンの登場は、ハード・ロックの誕生であると同時に、60年代ロックを終わらせ、70年代ロックをスタートさせた革命的な事件だった。
この曲は1stアルバム収録曲。この怪物バンドにしかない強靭なグルーヴに鳥肌が立つような名曲だ。

「コミュニケーション・ブレイクダウン」の過去記事はこちら

キング・クリムゾン/21世紀の精神異常者
King Crimson – 21st Century Schizoid Man

キング・クリムゾンの名盤1st『クリムゾン・キングの宮殿』によって、プログレッシヴ・ロックの扉は大きく開かれた。ロック史上最強のインパクトを持つジャケットに負けていないのがこのオープニング・トラックだ。
難解そうなイメージを持つかもしれないが、実はこのアルバムは割合聴きやすい。プログレ初心者にもお薦めだ。

「21世紀の精神異常者」の過去記事はこちら

MC5/キック・アウト・ザ・ジャムズ
MC5 – Kick Out the Jams

デトロイト出身の彼らの1stアルバムはいきなりライヴ盤で、この曲がそのタイトル曲だ。彼らのハイ・ボルテージをそのまま収録したいと考えたレコード会社のアイデアらしいが、これが見事にハマった。
本気度が高すぎる切迫感と、異常な重量感と破壊力、寝転んで聴いていたら思わず跳び起きてしまうほどのインパクトだ。

「キック・アウト・ザ・ジャムズ」の過去記事はこちら

ザ・ストゥージズ/アイ・ワナ・ビー・ユア・ドッグ
The Stooges – I Wanna Be Your Dog

MC5と並ぶ2大デトロイトの環境音楽、ストゥージズの1stアルバム収録曲。パンクの源流とも言えるストゥージズの音楽は、その狂暴さとエネルギーの爆発で類を見ない。きわめて原始的な興奮を呼び覚ます、ロックのガチ中のガチだ。

「アイ・ワナ・ビー・ユア・ドッグ」の過去記事はこちら

ニール・ヤング&クレイジー・ホース/カウガール・イン・ザ・サンド
Neil Young & Crazy Horse – Cowgirl in the Sand

ニール・ヤングの2ndアルバムはL.A.のバンド、クレイジー・ホースとの共演となった『ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース』。これが現在まで続く、ニールとホースの最強チームの始まりだった。
まるで史上初のグランジ・ロックのようなパワフルでノイジーなギターが凄いが、曲も名曲揃いの名盤だ。この曲はアルバムの最後を飾る10分に及ぶ大曲。延々と続くニールのギター・ソロは、指から血が飛び散るのを想像してしまうほどの激しさと生々しさだ。

はじめてのニール・ヤング【名曲10選】の過去記事はこちら

オールマン・ブラザーズ・バンド/ウィッピング・ポスト
The Allman Brothers Band – Whipping Post

ジョージア州出身のオールマン・ブラザーズ・バンドは、技術の高さと同時に野性味溢れる凄味を併せ持ったブルース・ロック・バンドだった。この曲は1stアルバムに収録された彼らの代表曲のひとつ。そして彼らの登場が”サザン・ロック”の扉を開いた。

C.C.R./プラウド・メアリー
Creedence Clearwater Revival – Proud Mary

前年のデビュー以来、当時流行のブルース・ロックを中心に録音していたが、2ndアルバム『バイヨー・カントリー』の中で1曲だけテイストがまるで違う、超シンプルなカントリー風のこの曲がシングル・カットされて、全米2位というC.C.R.にとって初の大ヒットとなった。以降はより彼らの特性が発揮されたカントリー・ロックのほうにシフト・チェンジしてヒットを連発した。

はじめてのC.C.R.【名曲10選】の過去記事はこちら

クロスビー・スティルス&ナッシュ/組曲:青い瞳のジュディ
Crosby, Stills & Nash – Suite; Judy Blue Eyes

元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルス、元バーズのデヴィッド・クロスビー、元ホリーズのグラハム・ナッシュが結成したこのスーパー・グループは、まさに60年代ロックの終わりと70年代ロックの始まりを象徴するような存在だった。今聴いても3人の声の見事な溶け合い方、シンクロの凄さには驚かされる。

「組曲:青い瞳のジュディ」の過去記事はこちら

スライ&ザ・ファミリー・ストーン/アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユア・ハイヤー
Sly & The Family Stone – I Want To Take You Higher

1969年最大のトピックと言えば40万人を集めたウッドストック・フェスティヴァルだろう。映画にもなったあのフェスでいちばん観客が熱狂しているように見えたのがこのスライ&ザ・ファミリー・ストーンのステージだった。黒人白人混成の彼らの音楽は、ロックとR&Bとファンクを融合させた、史上初のミクスチャー・ロックとなった。

「アイ・ウォント・トゥ・テイク・ユア・ハイヤー」の過去記事はこちら

ジミ・ヘンドリックス/アメリカ国家~星条旗
Jimi Hendrix – National Anthem U.S.A Star Spangled Banner

そのウッドストック・フェスティヴァルのトリを務めたのがジミ・ヘンドリックスであり、この伝説的な演奏こそがこのフェスの真のハイライトだった。
この、世にも狂暴でグロテスクな、苦悶にのたうちまわるようなアメリカ国歌が、1969年のアメリカという国のリアリティにも聴こえたのだった。

「アメリカ国家~星条旗」の過去記事はこちら

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ヒストリー・オブ・ロック 1969【ハード・ロックの誕生とウッドストック】 (goromusic.com)

ぜひお楽しみください。

(by goro)