≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その188
Chuck Berry – Johnny B. Goode
とうとうチャック・ベリーが逝った。
彼は1950年代にロックンロールを創造し、世界に広めた、われわれロックファンにとっては創造主のようなものだ。
才能にあふれ、やんちゃでユーモアに富んで、傲慢でモテモテで、信じられないぐらいパワフルな、とても人間臭い創造主だった。
この「ジョニー・B・グッド」はチャックの代表曲であり、われわれの世代には「ロックンロール」と言えばまずこの曲をイメージするぐらい、ロックンロールのシンボルみたいな曲だ。
このシンプルな音楽は今聴いても圧倒的に素晴らしい。
ギターはこの曲を弾くためにあるかのように音が輝いているし、ヴォーカルは熱狂が伝わってくるほど生々しい。
60年前のロックンロールのシンボルは、少なくともわたしにとってはまったく色褪せずに輝きを放っているように聴こえる。
ロックンロールは、これまで何百年と続いてきた長い長い西洋音楽の歴史の中で、最も多くの人々が熱狂し、愛した音楽だろう。
自らが創造したロックンロールが子供たちや孫たちの世代に受け継がれ、世界中で熱狂的に愛され、人々の人生を幸福なものに変えたこの60年間を、チャックはどう見つめていたのだろう。
これほど誇らしく思うことはほかにないだろう。
90歳まで生きて大往生したロックンロールの創造主を、心からのスタンディングオベーションで送りたい。