はっぴいえんど/12月の雨の日(1970)風をあつめて(1971)

はっぴいえんど

【ニッポンの名曲】#9 12月の雨の日
作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一

今回は2曲いっぺんに紹介しよう。

というのも、はっぴいえんどから1曲選ぼうとしたのだけど、この2曲が決勝戦まで残ったもののどうしても選べず、ドローになってしまったからである。


1stアルバム『はっぴいえんど』に収録の「12月の雨の日」は、はっぴいえんどが最初に作った曲で、彼らのデビュー・シングルでもある。

わたしが最初にはっぴいえんどを聴いたのも、この曲だった。『第3回全日本フォークジャンボリー’71』というオムニバスのライブ盤の最後に収録されていて、それまでのフォーク野郎たちとは明らかに違う音圧でロックをやっているのが強烈な印象だった。

それがきっかけではっぴいえんどを聴いたので、彼らの2枚のアルバムのうち、わたしはよりワイルドなイメージのロックアルバムである1st『はっぴいえんど』のほうをよく聴いたものだった。

また、当時のフォーク野郎たちが自分の思いや主張を歌にしたのに対して、この「12月の雨の日」は、ただ「見ている」だけなのが、なんだかクールでカッコ良かった。

水の匂いが眩しい通りに
雨に憑かれた人が行きかう
雨上がりの街に風がふいにのぼる
流れる人波を僕は見てる
僕は見てる
(12月の雨の日/作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一)


風街ろまん

【ニッポンの名曲】#10 風をあつめて
作詞:松本隆 作曲:細野晴臣

1971年発表のはっぴいえんどの2ndアルバム『風街ろまん』収録曲。

ベースの細野晴臣が作曲し、リード・ヴォーカルも彼だ。

アルバム『風街ろまん』は、音楽雑誌の日本のロック名盤ランキングで1位になったりもするほど、高く評価されている。


この「風をあつめて」はシングルカットすらされていなかったが、CMや映画などに使われ、後に評価が高まった。
また、この曲のイメージから始まった『喫茶ロック』というコンピレーションCDのシリーズが売れたりもして、いつのまにかはっぴいえんどでいちばんポピュラーな曲になっている。
それにしても「喫茶ロック」とはよく名付けたものだ。
ただの想像上の昭和の喫茶店のイメージでしかないのに、妙にしっくりくるのには感心した。


この独特の、フォークとはまた違う、アコースティック・ロックと言うべきサウンドと、細野さんのなんの情念もない朴訥とした修行僧のような歌い方がいい。100万回聴いても飽きないタイプの名曲だ。

『風街ろまん』のアコースティック・サウンドの感じは、ニール・ヤングやCS&Nあたりを意識しているのだろうか。なんなくニール・ヤングの『ハーヴェスト』なんかを彷彿とさせるような部分もある。

でも、よく調べてみると『風街ろまん』が1971年の11月、『ハーヴェスト』が2カ月後の72年1月なので、もしかするとニール・ヤングのほうが影響を受けたのかもしれない。