No.388 マニック・ストリート・プリーチャーズ/デザイン・フォー・ライフ (1996)

Everything Must Go

≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その388
Manic Street Preachers  – a design for life

マニック・ストリート・プリーチャーズはデビュー時に、「1stアルバムで世界中で1位を獲って解散する!」などといった大言壮語で話題になったが、結果は地元イギリスでも1位を取れず(13位)、解散も撤回、という結果に対する音楽マスコミの嘲笑の中からスタートしたバンドだった。

でも日本の音楽雑誌は彼らにとても優しかったし、日本のロック好きの若者は彼らを熱く迎えた。

2ndアルバムはイギリスでも8位まで上がり、そしてこの4枚目のアルバムはついに2位まで上がった。
彼らは徐々に本国でも人気を得て、90年代後半には英国を代表するロックバンドとなったのである。

ちょうどこの頃、ギターと作詞担当だったリッチーが精神を病み、ロンドンのホテルで宿泊中に、行方不明となる。
そのまま、現在まで見つかっていない。

リッチー不在でつくったアルバム『エヴリシング・マスト・ゴー』からの最初のシングルがこの「デザイン・フォー・ライフ」だった。
マニックスらしいロマンチックで大きなメロディが、ストリングスをたっぷり入れたアレンジによってさらに強調されている。
労働者が酒場でひとりごとをつぶやいているみたいな歌だ。

図書館が力を与えてくれて
仕事がおれたちを自由にした
汚れた顔のおれたちににも
尊厳や価値はあるだろう?
おれたちは愛なんて語ったりしない
ただ酔っぱらいたいだけなんだ
でも無駄遣いするわけにはいかない
人生設計があるから
(written by James Dean Bradfield, Sean Moore, Nicky Wire)

ああ、なんだか泣けてくる。
この曲が幅広い支持を集め、マニックスでは初となる、英国チャート2位の大ヒットとなった。

コメント

  1. ごろー より:

    まさにそうです。
    いやあ、よくわかってらっしゃる(笑)

    その通りで、デビュー時はリッチーたちの派手なパフォーマンスの印象が強かったけど、じつはジェームズを中心にすごくロックに生真面目に取り組んでいったストイックなバンドだったんだと思います。

  2. フー太郎 より:

    ウェールズの素敵な兄貴たち
    マニックスは最初は刹那主義的な太く短くな生き方をしていたのに、リッチーがいなくなる前後からいい意味でちゃんと将来を見据えている感じがしました。デビューから今に至る迄コンスタントにアルバムを出し続け、oasisとかとは真逆なある種ロッカーらしからぬ勤勉さもマニックスの魅力の一つだと思います。