【80年代ロックの快楽】
The Cure – The Caterpillar
The Cure – The Caterpillar
2019年のフジ・ロックの大トリを務めたのがこのキュアーだったというのはわたしには驚きであった。
いつからそんなにエラくなったのか。
そして若者たちは大丈夫なのか、キュアーなんかで。
あんな暗いオッサンたちで。
というのが、失礼ながらリアルタイムの元ファンであるわたしの率直な感想だった。
でもネットの感想なんかを見るとフジ・ロックのライヴ・パフォーマンスは高く評価されていて、よかったよかったと胸をなでおろした。
5枚目のアルバム『ザ・トップ』からシングル・カットされたこの「キャタピラー」は、「ラヴ・キャッツ」が全英7位の大ヒットとなった後に発表された、この時代の彼らとしてはめずらしく明るいナンバーだ。これが彼らなりの、絶好調の感じだったのかもしれない。
ヴァイオリンがキーキーと軋む音や、パーカッションが印象的な軽快なサウンドがとても良い。明るいゴスだ。
PVは相変わらず『シザーハンズ』の世界観で、まあ1990年公開のあっちのほうが後なのだけれど、リアル・シザーハンズがこの頃はまだずいぶんと可愛い感じである。