アーニー・グレアム/シー・フィーヴァー(1971)

アーニー・グレアム(紙ジャケット仕様)
【アイリッシュ・ロックの快楽】
Ernie Graham – Sea Fever

1971年に1枚の超名盤をリリースしたもののセールスにつながらず、音楽業界から去り、イギリスの国鉄に就職して残りの人生を送り、2001年に54歳の若さでロンドンで死んだ、わたしが愛してやまないアイルランド出身のシンガー・ソングライター、アーニー・グレアムだ。

1枚しかアルバムがないというのに、このブログで取り上げるのはこれで4度目だ。
昔からの読者の方には「またか」と思われるかもしれない。

とにかく名曲揃いのアルバムなのだ。これほどのアルバムは滅多にない。

今回はちょっと暗いけれど、その美しさではアルバム随一である「シー・フィーヴァー」を紹介したい。

この歌について、アーニーはこう語っている。

正直言うと、ひどく落ち込んでいた頃に書いた曲だ。溺死が愉快な死に方だっていう話をどこかで読んだんだ。水のせいらしいよ。酸素が脳まで行かなくなって、それで脳がとてつもなくハイになるっていう。
(ナイジェル・クロス 対訳:丹美継)

素晴らしいメロディ、ピアノの美しい響き、そしてエンディングの「you get high… you get high…」と歌われる、ひどく物哀しいリフレインが印象的な名曲だ。

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