スマッシング・パンプキンズ【名曲ベストテン】My 10 favorite THE SMASHING PUMPKINS songs

The Smashing Pumpkins - Greatest Hits - Rotten Apples by The Smashing Pumpkins (2001-11-20)

わたしがスマッシング・パンプキンズの音楽に出会ったのはあの夢のような1991年、米国のオルタナティヴ・ロックと英国のインディ・シーンがリンクしながらムーヴメントとなって活況を呈し、次々とロック史に残る名盤が生まれ、ロックの新時代を告げた年だった。

1977年のパンク・ムーヴメントはまだ幼過ぎて体験することが出来なかったわたしにとっては、初めてのロックの熱い盛り上がりに興奮しながら刺激的な日々を送った時代だった。

そんな、名盤が続出した1991年に、わたしは彼らの1stアルバム『ギッシュ』に出会った。

当時の米オルタナティヴ・ロックの他のバンドに比べても、圧倒的なクオリティの高さは群を抜いていて、わたしは「90年代のツェッペリンだ!」と思ったものだった。

その後も彼らは、アルバムを出すたびに進化し、新しいロックのスタイルやサウンドを聴かせて楽しませてくれた。

今回、あらためてスマパンをひと通り聴き返してみた。正直、もう30年も前から聴いていると飽きていたりもするけれど、それでも今聴いてもやっぱりいいなあと思える名曲を、ランキングにしてみた。

以下は、わたしが心から愛するスマッシング・パンプキンズの名曲ベストテンである。

第10位  アイ・アム・ワン
I Am One (1990)

インディー・レーベルからリリースした、彼らのデビュー・シングル。

翌年発表の1stアルバム『ギッシュ』のオープニング・ナンバーとなり、わたしは「どれどれ、どんな新人バンドかな」とCDをかけた瞬間にブッ飛んでそのまま後ろにでんぐり返ったものだった。

デビュー・シングルからもうすでにスマパン・グルーヴは完成されていたのだった。
新人がいきなりオールスター戦出場みたいな、超オルタナ級だったのである。

『ギッシュ』の過去記事はこちら

第9位  トゥナイト・トゥナイト
Tonight, Tonight (1995)

1995年10月発表の3rdアルバム『メロンコリーそして終わりのない悲しみ』からの4枚目のシングルとなった曲。ストリングスのアレンジが印象的な、壮大流麗な曲だ。

米オルタナチャート5位、全英7位のヒットとなり、批評家にも絶賛された。

『メロンコリーそして終わりのない悲しみ』の過去記事はこちら

第8位 バレット・ウィズ・バタフライ・ウィングス
Bullet with Butterfly Wings (1995)

全米1位となった3rdアルバム『メロンコリーそして終りのない悲しみ』からの第1弾シングル。米オルタナチャート2位、全英20位のヒットとなった。

このアルバムが出たときは、2枚組という大作にまず驚き、さらに全米1位になったと聞いたときにはなんかの間違いじゃないかと思ったほどだった。驚いたのなんの。

オルタナティヴ・ロックが普通にメインストリームで売れる時代になったのだなあと感慨深く思ったものだ。そして同時に、ちょっとだけ寂しくも思った。だってもうそれはオルタナティヴ・ロックではないということだから。

『メロンコリーそして終わりのない悲しみ』の過去記事はこちら

第7位 武装解除
Disarm (1993)

1993年7月にリリースされた2ndアルバム『サイアミーズ・ドリーム』収録の、シリアスなバラード。米オルタナチャート8位、全英11位のヒットとなった。

「僕の中の殺人者は、君の中の殺人者。この微笑みを君に送るよ」と歌う、ビリーのちょっとヤバいところが出た曲。

ていうか、もともとスマパンのそういうところがいいのだけど。

『サイアミーズ・ドリーム』の過去記事はこちら

第6位 シヴァ
Siva (1991)

スマパンはインディ・レーベルからシングルを2枚出した後、1991年5月に1stアルバム『ギッシュ』でメジャー・デビューした。この曲はその1stアルバムからの最初のシングルである。

オルタナ系らしからぬ、高度な技術と楽曲の高い完成度、4人の息がぴったり合った精密なグルーヴに圧倒されたものだ。

「シヴァ」の過去記事はこちら

第5位 天使のロック
Cherub Rock (1993)

2nd『サイアミーズ・ドリーム』のオープニングを飾る曲。

CDを聴き始めてもうこの1曲目で1stからの大きな飛躍と成長を感じ、アッと驚いてそのまま後方へでんぐり返ったほどだった。

実は1stの『ギッシュ』は、評価が高かったにもかかわらず、あまり売れず(全米146位)、次が正念場の思いでビリーもメンバーも必死だったらしい。

結果はアルバムが全米10位という、特大ヒットに。めでたし、めでたしだ。

そしてこのシングルも、米オルタナチャートに初めてランクインし、第7位を獲得した。

第4位 1979
1979 (1995)

『メロンコリーそして終りのない悲しみ』からのシングルで、全米12位と、彼らの最高位となった代表曲だ。

轟音ギターが封印された、シンプルで乾いたサウンドが新鮮だった。わたしはこの曲がヒットした時に「ああ、もうグランジブームは終わったんだな」と、ロックシーンの移り変わりを実感したものだった。

「1979」の過去記事はこちら

第3位 ゼロ
ZERO (1995)

『メロンコリーそして終りのない悲しみ』からのシングル。うねるようなギターリフとスマパンらしい一体感を感じるグルーヴが超カッコイイ。

このPVのダーシーの、またいつもと違うゴスロリみたいな美しさもたまらない。
ビリーはなぜか髪の毛もゼロに。

『メロンコリーそして終わりのない悲しみ』の過去記事はこちら

第2位 ベリー・ミー(1991)
Bury me

1stアルバム『ギッシュ』で完成させた、スマパン・グルーヴによる最高傑作。
わたしは1stではこの曲が1番好きだ。最初聴いたときは衝撃的だったな。

1992年のレディング・フェスティヴァルでこの曲を演奏した映像が残されていて、今でもたぶんYouTubeで見れるだろう。あまりの熱演にビリーのギターの弦が切れて間奏の間に交換する場面もあったが、わたしがこれまで見たスマパンの映像の中では最高のカッコ良さだと思う。

第1位 トゥデイ(1993)
Today

『サイアミーズ・ドリーム』からのシングルで、米オルタナチャートで4位まで上昇した、彼らのブレイク作だ。

この光が明滅するような美しい響きのイントロ4小節を聴いただけで、一気に幸福だった1993年に連れ戻される。

なんて、当時はちっとも幸福だとは思っていなかっただろうけど、過ぎ去りし日々はなんだって幸福に思えてしまうものだ。

「今日は今までで最高の日。でも長くは続かないかもしれない。心が粉々になってしまうかもしれない」と歌う、あの頃のわたしの心にも響く歌だった。

「トゥデイ」の過去記事はこちら

(Goro)

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コメント

  1. ハマちん より:

    the smashing pumpkinsを本日知った者です
    とりあえず まだ一曲も聴いてはいませんが
    BEST10を全て聴いてみるつもりです

    さてBuryMeはrひとつのようです

    ※知ったのは矢野顕子のWikiで彼女がファンだとあったので興味が沸きました

    • Goro より:

      ハマちんさん、コメントありがとうございます!

      “Bury Me”の綴りのご指摘、ありがとうございます。早速修正しました。

      矢野顕子さんとスマパンとはまたちょっと意外な組み合わせですね。

      スマパンは決して聴きやすい部類のバンドでもありませんが、気に入っていただけたら嬉しく思います。