名盤100選 26 ダイアナ・ロス&シュープリームス『THE NO.1s』(2004)

No.1's
昔は「シュープリームス」と言ってたのに、最近は「スプリームス」と言うらしい。
やめてくれないかな、そういうの。途中で変えるんじゃない。
「シュープリームス」はもう40年以上も使われている立派な日本語なのだ。いまさら勝手に変えないでほしい。

わたしは60年代のガールズ・ポップがけっこう好きだ。
アルバム単位ではあまり聴かないが、単品でよく聴いてきた。

シュープリームスはなんと言ってもダイアナ・ロスだ。
他のメンバーには悪いが、あのダイアナ・ロスの可憐な歌声はちょっと類を見ない。
モータウンがダイアナばかりを売り出そうとしたことで他のメンバーがむくれてなんやかんやあったのは有名な話だが、そりゃ仕方がないでしょう。
後年はだんだん普通になっていくが、64年~69年の5年間のシュープリームス時代のダイアナの歌声は、もうとろけちゃいそうな無敵のキャンディ・ヴォイスである。

わたしが「ポップ・ソング」という言葉で思い浮かべる理想の音楽のひとつである。
プロデュース・ワークが一貫していて、シュープリームスの持っているものを最良の形で引き出している。最良のポップ・ソングが生まれた。
もしも彼女たちが自分たちの思うように曲を選び、自由に活動していたらあれほどの成功はありえなかったと思う。
わたしは民主主義や平等主義は政治の世界ならいいが、芸術や商売に持ち込むのはやめたほうがいいと思っている。
そんなヤワな考えで成功するほど世の中甘くはない。

今年のシングルで安室奈美恵がシュープリームスの「ベイビー・ラブ」をサンプリングだかリメイクだかして歌っていて、面白いなあと思った。
カバーというわけでもなく、なにか「ベイビー・ラブ」に乗せてまったく違う歌を歌っている感じで、こういうのもアリなのか、とそういうジャンル方面に疎いわたしには新鮮だったのだ。
そしてらためて「ベイビー・ラブ」がいかに完璧なポップ・ソングかということに感心したものだ。