ラッシュ(LUSH)/レディキラーズ(1996)

Lovelife

【女子ロックの快楽】
Lush – Ladykillers

毎度おなじみ、Lのほうのラッシュの3rdアルバム『ラヴライフ(Lovelife)』のオープニング・トラック。全英22位のヒットとなった。

このアルバムでラッシュは、それまでの彼らのスタイルだった、ファルセット・ヴォイスと透明感ギターによるドリーミィ・シューゲから脱却し、ミキちゃんは地の声で歌い、ギターはビンビンガチヤガチャと元気よく鳴るようになった。

わたしはこっちのほうがずっといいと思う。もともと彼らが持っているポップ・センスも、このほうが生き生きと発揮されているように思う。

ブリット・ポップに乗っかったなどと揶揄されたものだけれども、なに、乗っかれるものは全部乗っかったらいいのだ。そうやっていつの時代も、ロック・シーンは盛り上がってきたのだから。

ミキが書いた曲で、なんとなくアクション映画のクライマックスにでも使えそうなカッコいい曲だ。
内容は女たらしのレディキラーたちに冷や水をぶっかけるようなフェミニスト的なものである。

アルバムは彼らの最高傑作となり、全英8位とヒットし、バンドはまさに絶頂期を迎えていたが、残念ながらこれが彼らの最後のアルバムとなってしまった。

アルバム発売から半年後には日本でもツアーを行ったが、帰国して1か月後の1996年10月、ドラマーのクリス・アクランドが、実家の庭で首を吊って、この世を去った。

メンバーたちは悲嘆にくれ、そのまま活動を休止し、翌年、正式に解散を発表した。

悲劇はいつも突然やってきて、われわれを打ちのめし、滅茶苦茶に混乱させるのだ。

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