【カバーの快楽】
Etta James – I Just Want To Make Love To You
Etta James – I Just Want To Make Love To You
シカゴ・ブルースの女王、エタ・ジェイムスの1961年のデビュー・アルバムにして名盤『アット・ラスト(At Last!)』収録曲だ。
チェス・レコードの屋台骨を支えた名ソングライター、ウィリー・ディクスンの作で、オリジナルはマディ・ウォーターズの1954年のヒット曲である。
マディがあの野太くでっかい声で「おれはただ、おまえとメイクラヴしたいだけなんだ!」とどやしつける、女子ならいろんな意味でチビりそうな曲を、女性のエタ・ジェイムスがカバーしたというだけでもすでに興味深い。
エタのバージョンは、冒頭からサディスティックなシャウトでどやしつけておきながらも、最後はセクシーに「わたしはあんたとメイクラヴしたいだけなのよ」と、耳元で囁くように繰り返す、ツンデレ・バージョンだ。膝から崩れ落ちそうになるぐらい良い。一度でいいから、艶っぽい美人からこんな風に言われてみたいものだ。
エレガントでムーディーなストリングスのアレンジもカッコいい。
↓ マディ・ウォーターズのオリジナル。