ゲイリー・グリッター/ロックンロール Part 2(1972)

Rock & Roll: Gary Glitter's Gr

【グラム・ロックの快楽】
Gary Glitter – Rock and Roll Part 2

昨日に引き続き、お薦めしないグラム・ロックの大ヒット曲をもう1曲。

グラム・ロック期に活躍したゲイリー・グリッターは、ギンギラ衣裳に厚底ロンドンブーツ、そしてリーゼントといういでたちで、1972~74年の間に全英トップ10ヒットを9曲も世に送り出した。これはデヴィッド・ボウイやT.レックスよりも多い。

この曲はこいつの最初のヒット曲で、全英2位の大ヒットとなった。A面にこの曲、B面には歌詞がもう少しあるだけの「ロックンロールPart1」を収録したシングル・レコードだった。

ノリだけで中身もない曲なのでもうすっかり忘れられていたはずだったが、2019年公開のアメリカ映画『ジョーカー』で使用されたことで、47年の時をこえて「ロックの徒花墓場」から蘇ってきてしまった。

しかし、大作映画でこの曲を使用したことに対しては、物議を醸した。
なぜなら、この曲を書いた当のゲイリー・グリッターは現在、刑務所で服役中なのだ。

このバカは1997年に修理に出したパソコンから大量の児童ポルノが見つかって逮捕されたのを皮切りに、カンボジアで児童買春を繰り返して国外退去処分、ベトナムで児童への性的虐待の罪で懲役3年、そして2012年には楽屋内での少女との淫行などによって、懲役16年の刑で現在も収監中である。

『ジョーカー』はわたしも大好きな映画だ。例の、ジョーカーが覚醒して階段で踊るシーンでこの曲が使用されている。

あの階段が今では観光名所になっているほど有名になったシーンだが、あれはこのクソしょうもない曲が見事にハマったシーンだった。これを選曲した人は凄い。

やはりどんなクソしょうもない曲でも、ハマるところはあるものだと妙に感心してしまう。あの映画のあのシーンが、この曲の唯一の正しい使い道と言えるのではないか。

このバカ野郎は、予定通りなら2031年に86歳で出所することになるが、できれば二度と塀の外に出てこないでほしいと願うばかりである。

↓ 映画『ジョーカー』での使用シーン。

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