ニック・ケイヴ&PJハーヴェイ/ヘンリー・リー(1996)

Henry Lee

【コラボの快楽】
Nick Cave & PJ Harvey and the Bad Seeds – Henry Lee

この曲も殺人アルバム『マーダー・バラッズ(Murder Ballads)』からのシングル。一緒に歌っているPJハーヴェイは、まあこのジョンとヨーコみたいなジャケを見れば一目瞭然だが、当時のニック・ケイヴの恋人だったようだ。PVなんてもう、AVを見てるような気分にさせられる。

この曲はニック・ケイヴのオリジナルではなく、スコットランドが起源の「ヤング・ハンティング」という伝承曲で、アメリカでは「ヘンリー・リー」のタイトルで知られているものだ。

主人公の男性は、彼の子供を身ごもったと言う女性に対し、別のもっと美しい女性に恋してるんだ、と告げる。
怒りに燃えた女性は彼に酒を飲ませて酔わせ、刺し殺し、川に死体を棄てる。
後に死体が発見されて彼女の犯行が発覚し、火あぶりとなった、という凄絶に哀しい歌だ。

それにしても、ひとつのアルバムに、憧れの彼女カイリー・ミノーグとのデュエットと、実際の恋人PJハーヴェイとのデュエットの2曲を収録するというのも、たいしたものだ。
なんにしろ、絶頂期だったに違いない。ちょっと浮かれていたのかもしれない。

その後すぐに、ニック・ケイヴがPJハーヴェイにフラれたという話を聞いたが、本当かどうかはわからない。たぶん本当だろう、とわたしは思っているけれども。

まあなんにしろ、殺されなくてよかったと思う。

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