パティ・スミス・グループ/アスク・ジ・エンジェルス(1976)

Radio Ethiopia [12 inch Analog]

【NYパンクの快楽】
Patti Smith Group – Ask the Angels

2ndアルバム『ラジオ・エチオピア(Radio Ethiopia)』のオープニング・トラック。

1st『ホーセス』のプロデューサーは元ヴェルヴェッツのジョン・ケイルだったが、この2ndはエアロスミスのアルバムを手掛けていたプロデューサー、ジャック・ダグラスを迎えて製作された。
これはある日パティがカー・ラジオから自分の曲が流れてくるのを聴いて、「音が弱い」と感じ、もっとハードな音を求めたからだという。

時代はパンク・ムーヴメント前夜、パティも既存のロックとは違う、もっとハードでリアリティのある音を模索していたのだろうと思う。

この曲はアルバムの中でも最もストレートなロック・ナンバーだ。当時は衝撃的だったパティのパンキッシュなヴォーカルが超カッコいい。
「ワルッ!ワルッ!ワルッ!ワルッ!(Wild! Wild! Wild! Wild!)」と連呼するサビは、パティが求めているサウンドのことでもあったかもしれない。

動画はちょっと音が悪いのだけど、お尻をフリフリ、ピョンピョン飛び跳ねながら、少女のように楽しそうに歌うパティの姿が素敵だ。まあこの当時30歳ではあるのだけど、たったひとりで世界を変えようとしているかのような無邪気な輝きが美しい。

このアルバムの翌年の1977年がパンク・ムーヴメントのピークとなるのだけれど、この年の1月にパティはフロリダ州タンパで行われた、ボブ・シーガーのライブで前座として出演し、4メートル半の高さから落っこち、頚椎を骨折する重傷を負って長期療養を余儀なくされてしまった。

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