レナード・コーエン/バード・オン・ワイヤー(1969)

SONGS FROM A ROOM [12 inch Analog]

【60年代ロックの快楽】
Leonard Cohen – Bird on the Wire

2ndアルバム『ソングス・フォー・ア・ルーム(Songs from a Room)』からのシングル。

「電線の上の鳥のように、真夜中に大合唱する酔っぱらいたちのように、わたしは自由になる方法を探したんだ」と歌う、コーエンの代表曲だ。

ときには電線の上の鳥のように、超然と下界を見下ろして人々の営みを眺め、気が向いたら大空へ羽ばたく。またあるときは人の迷惑も省みず、地を転げまわりながら酔っ払い、大声で歌って恥をさらす、そんな自由な人間でありたい、というイメージでわたしは聴く。

あるいは、ときには孤独を楽しみ、ときには仲間たちと心を開いて、気ままに生きていたい、というふうにも取れる。

まあ、詩だから人それぞれどんな解釈で聴いても良いし、その人の心に突き刺さればそれでいいのだ。
様々なイメージが浮かび、人によってさまざまな解釈が生まれる詩というのが本当に良い詩なのだろうとわたしは思っている。

この曲は多くのアーティストにカバーされている。
有名なもののひとつには、メル・ギブソンとゴールディ・ホーン主演による同名のアメリカ映画『バード・オン・ワイヤー』(1990)の挿入歌としてネヴィル・ブラザーズのカバーも使われたけれど、何度聴いても同じ曲とは思えない。

晩年のジョニー・キャッシュの渋いカバーは断然リアリティがある。彼がレナード・コーエンをカバーしたのはこの1曲だけだ。
きっとキャッシュさんもこの詩に共感するものがあったのだろうな。

↓ ジョニー・キャッシュによるカバー。

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