【90年代ロックの快楽】
Blur – Tender
Blur – Tender
「新時代のアート・ロック」とも評された実験的要素の濃い6thアルバム『13』からのシングル。全英2位の大ヒットとなった。
デビュー以来いろんなスタイルを試して、引き出しはオアシスよりもずっと多いブラーだったが、この曲ではゴスペル風の、これまでなかったスタイルに挑戦。一度聴いたら忘れられない、ついつい口づさんでしまう印象的なメロディの曲になった。
ちょうどデーモンが長年付き合ってきた女性(元エラスティカのジャスティーン)と別れた時期で、その当時の心境が歌われている、哀愁漂う曲だ。ブラーにしてはものすごくシンプルな曲だが、それだけ素直な心情を吐露しているのだろうと想像する。
ギターのグレアムが弱弱しい声で歌うパートがまたいい。もちろん彼のロー・ファイなギターも最高だ。