ジェームス・テイラー/君の友だち(1971)

Mud Slide Slim & the Blue Horizon [12 inch Analog]

【カバーの快楽】
James Taylor – You’ve Got a Friend

キャロル・キングの作詞・作曲で、名盤『つづれおり(Tapestry)』に収録された曲。

「わたしの名前を呼べばいつでも駆けつけるよ。どこにいようと、冬でも春でも夏でも秋でも。必ず、すぐに駆け付けるよ。君の友だちなんだから」と歌う感動的な歌詞が普遍的に共感を得るためか、キャロル・キングの楽曲でも最も多くカバーされた曲で、世界各国で多くのアーティストがカバーしている。

最も有名なのはジェイムス・テイラーのカバーだ。
ジェームス・テイラーはキングの『つづれおり』が発表されたのとほぼ同時期に録音を進めていた3rdアルバム『マッド・スライド・スリム(Mud Slide Slim and the Blue Horizon)』にこのカバーを収録している。シングル・カットもされ、全米1位、全英4位と自身最大のヒットとなった。
また、テイラーはこの曲で、その年のグラミー賞最の優秀男性ポップボーカル賞を受賞し、ソングライターのキャロル・キングは最優秀楽曲賞を受賞した。

ジェームス・テイラーの淡白で振幅の少ないヴォーカルは、最初こそ退屈に聴こえかねないが、繰り返し聴いてみると、冷えた体にゆっくりと沁みわたるような高級料亭のお出汁のような深い味わいに気づくものだ。

↓ キャロル・キングのオリジナル。

コメント

  1. 遠州ヒマ助 より:

     この曲を初めて聴いたとき,抑揚のない歌い方や盛り上がりに乏しい曲構成にイマイチ共感できませんでした。しかし,何回か聞いているうちに好きになりました。キャロルのオリジナルもいいけど,自分はジェームス・テイラーのギター弾き語りのほうが身に沁みます。

    • ゴロー より:

      そうなんです。
      あえて「退屈に聴こえかねない」なんて書かせてもらいましたが、この人の魅力は繰り返し聴かないとなかなかわからない、大人の味わいがありますね。