バッドフィンガー/明日の風(1970)

マジック・クリスチャン・ミュージック

【70年代ロックの快楽】
Badfinger – Carry On Till Tomorrow

ビートルズが設立したレーベル、アップル・レコードからデビューしたバッドフィンガーの1stアルバム『マジック・クリスチャン・ミュージック(Magic Christian Music)』収録曲。

『マジック・クリスチャン』はピーター・セラーズやリンゴ・スターなどが出演している1969年公開のイギリス映画で、そこで使用された3曲がこのアルバムに収録されている。

「マジック・クリスチャンのテーマ(Come and Get It )」はそのひとつで、ポール・マッカートニーが作詞・作曲した曲で、全英4位、全米7位と大ヒットしたものの、あまりにビートルズ色が強すぎてわたしはあまり面白いとは思わない。

わたしはこの「明日の風」のほうが好きだ。
プロデュースにポール・マッカートニー、ストリングスの編曲にジョージ・マーティンとここでも元ビートルズ勢が加担してはいるものの、バッドフィンガーが誇る2人の名ソングライター、ピート・ハムとトム・エヴァンスの作であり、ビートルズ色よりも彼らの個性のほうがより強く出ている曲だ。

この曲は当時、なぜか日本でのみシングル・カットされて、そこそこヒットしたらしい。
一度聴いただけで口ずさめるような、陰影の濃い、美しいメロディが日本人好みだったのかもしれない。

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