ジェリーフィッシュ/半分裸の王様(1990)

ベリーバトゥン<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)

【パワー・ポップの快楽】
Jellyfish – The King is Half Undressed

ジェリーフィッシュは米サンフラシスコ出身のバンドだ。

この曲は1990年にリリースされた彼らのデビュー・アルバム『ベリーバトゥン(Bellybutton)』収録曲で、彼らの1stシングルでもある。

ジェリーフィッシュは、ヴォーカル&ドラムのアンディ・スターマーと、キーボードやらギターやらマラカスやらを操るロジャー・マニングによって結成された。

1990年と言えば「オルタナ系」なんて呼ばれて個性的なバンドが続々と出てきた頃だが、彼らの個性はまた群を抜いていた。

当時流行の轟音ギター系のバンドとも全然違ったし、そのポップなメロディやコーラス、凝ったアレンジはイギリスっぽくもあり、まあなにしろ喩えようもない個性的なバンドだった。

そんな彼らの、パワフルなサウンドとポップなメロディが両立した音楽性は、すでに死語となりつつあった70年代の言葉を蘇らせ、〈新世代パワー・ポップ〉と呼ばれた。

アンディとロジャーはちょっとした天才ソングライター・コンビだったが、しかし天才コンビの蜜月は長くは続かず、アルバムを2枚リリースしただけで、94年には解散してしまう。

実際のところ、2ndアルバム『こぼれたミルクに泣かないで(Spilt Milk)』は、異常なほどの完成度を誇る傑作であり、これはもはやパワー・ポップの域さえも超えてしまっている。

彼らは日本でも人気が高かったが、93年に来日した時は『ダウンタウンのごっつええ感じ』に出演して、なぜかピンクレディーの「S.O.S.」を演奏したのだそうだ。当時、毎週見てたはずだけど、憶えてないなあ。

そう言えば、以前の職場にジェリーフィッシュのファンクラブに入ってる同僚がいたな。
元気にしてるかなあ。