【ディランのアルバム全部聴いてみた】『インフィデル』(1983)

Infidels [12 inch Analog]

【ディランのアルバム全部聴いてみた 27枚目】
Bob Dylan “Infidels”

このアルバムも発売当時に貸しレコード屋で借りて聴いた。ディラン42歳のアルバムだ。わたしは17歳だった。

このアルバムももちろん、カセットテープに録音して、前作と同じように何度も何度も何度も何度も聴いた。でも、なぜか一向にピンと来なかったのだ。

宗教ドハマり時代が終わり、無事に浮世に戻って来た内容の作品で、全米20位、全英9位とセールスも少し持ち直し、評論家やファンには好評だったときくが、なぜかわたしは何度聴いてもよくわからなかった。

プロデューサーはダイアー・ストレイツのマーク・ノップラーが務めている。
ゴスペルから離れ、女性コーラスもなし、管楽器もなし、というシンプルな本格ロック・バンドのアレンジで、録音もクリアになっている。

わたしは『欲望』のような、汗や土の匂いがするような野性味あふれる音が好きだったりするので、こういうあまり匂い情感を感じないクリアな音がよくわからないのかもしれない。

17歳のわたしにはわからない、老舗の味の本格割烹みたいな。

ただし今回聴いてみて、「ライセンス・トゥ・キル」という007みたいなタイトルの曲はあらためて好きになった。

ギターはマーク・ノップラーと元ストーンズのミック・テイラー、リズム隊はスライ&ロビーという夢の共演だ。

ジャケットも顔写真に戻り、本来のディランのシンプルなフォーク・ロックに回帰したとも言えるけど、ポップだったりR&Bだったりゴスペルだったりカントリーだったりというコッテリわかりやすい味つけがなくなったのを少し寂しく感じるのは、無い物ねだりというものだろうか。

↓ 「ジョーカーマン(Jokerman)」

↓ 「ライセンス・トゥ・キル(License to Kill)」

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