【ディランのアルバム全部聴いてみた】『ノック・アウト・ローデッド』(1986)

Knocked Out Loaded

【ディランのアルバム全部聴いてみた 31枚目】
Bob Dylan “Knocked Out Loaded”

ディラン45歳の作品。8曲中、ディランの作詞・作曲は2曲のみで、あとはサム・シェパードやトム・ペティとの共作や、トラディショナル、カバーなどだ。

T・ボーン・バーネットやトム・ペティ、ロン・ウッドなどをはじめ、ギターだけで7人、ベースが6人、ドラムが8人と、大量のゲストミュージシャンが参加している。

そんなやりかたで良い音楽が作れるとはとても思えない。
きっと、方向性が定まらず、自発的な芸術的アイデアに不足していたのだろう。

ディラン絶不調期の、残念作である。

フワフワパシャパシャした当時流行の軽薄な80年代サウンドとディランの相性の悪いこと。
ディラン自身も、「この時代のサウンドが好きではない、自分のも、他人のも」と自伝に書いているように、完全に他人にサウンド作りを丸投げしていたようだ。

参加したロン・ウッドも「レコーディング時点でのきらめきがスタジオ・ワークを経て見事に失われてしまった」と述懐しているほどだから、やはり誰から見ても満足いかなかった出来なのだろう。

チャート・アクションも、全米54位、全英35位と、さらに下降している。

↓ かろうじて聴けるのが、劇作家のサム・シェパードとの共作「ブラウンズビル・ガール – Brownsville Girl 」。しかし11分と長尺だ。

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