マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル/エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ(1967)

United [12 inch Analog]

【コラボの快楽】
Marvin Gaye & Tammi Terrell – Ain’t No Mountain High Enough

マーヴィン・ゲイが、同じモータウン所属の女性歌手タミー・テレルとデュエットした曲で、全米19位のヒットとなった。後に夫婦デュオとして活動したアシュフォード&シンプソンの作だ。

当時のモータウンはこうしたデュエット曲のヒットも多く、シュープリームス&テンプテーションズみたいにグループが合体して歌うことまであったぐらいだ。

中でもこのマーヴィン・ゲイは最も多くデュエット録音を残したが、その最良のデュエット・パートナーとされていたのがこのタミー・テレルであり、2人は3枚のアルバムをリリースした。この曲はその最初のアルバム『ユナイテッド』のオープニングを飾っている。

しかしこのアルバムのリリースから3か月後、ヴァージニア州のハンプデン・シドニー大学での公演中にタミーは倒れてしまう。
マーヴィンに支えられステージを降りたタミーは、悪性の脳腫瘍に侵されていることが判明し、その後も病魔と闘いながら活動したが、3年後の1970年3月に24歳の若さで死去した。

なんてことだ、とわたしも思う。

タミーの死にショックを受けたマーヴィンは鬱病を発症し、薬物に依存するようになったという。

タミーの死から3か月後、シュープリームスを脱退したダイアナ・ロスがこの曲をカバーし、全米1位、全英6位の大ヒットとなった。

その後も多くのアーティストにカバーされ、永く愛されてきた名曲だ。

↓ ダイアナ・ロスが1970年発表の1stソロ・アルバムでカバーしたバージョン。作者のアシュフォード&シンプソンのプロデュースで大幅なアレンジが加えられ、6分を超える大作となっている。シングル用に短縮されてリリースされ、全米1位の大ヒットとなった。