【正直、ディランの良さがわかったのはバーズのおかげ】ザ・バーズ/自由の鐘(1965)

Byrds Play Dylan

【カバーの快楽】
The Byrds – Chimes of Freedom

ディランのアルバム全部聴いてみたシリーズも終わったけれど、もうしばらくディランの余韻を楽しみたい。
というわけで今週は、もしかすると史上最もカバーされたアーティストなんじゃないかとも思う(知らんけど)ボブ・ディランの、様々なアーティストによる名カバー・バージョンを紹介していきたいと思う。

もちろんディランのカバーと言えば、まずはザ・バーズから。

上に掲げたアルバムジャケットは、バーズによるディランのカバー曲を集めたアルバムで、全20曲が収録されている。

バーズのディラン・カバーは以前にもこのブログでいくつか取り上げてはいるけれども、今回取り上げたいのはこの「自由の鐘」だ。

ディラン・カバーで最も効果的に聴こえるのは、原曲がシンプルな弾き語りで、カバーがバンド演奏というパターンだろうけど、このカバーもまたそのパターンだ。

このトラックはバーズの1st『ミスター・タンブリンマン(Mr. Tambourine Man)』に収録されている。
原曲はディランの64年発表の4thアルバム『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン(Another Side Of Bob Dylan)』収録曲だ。
この全曲弾き語りのアルバムからバーズは「オール・アイ・リアリー・ウォント」「スパニッシユ・ハーレム・インシデント」「マイ・バック・ペイジズ」そしてこの「自由の鐘」の4曲をカバーしている。どれも見事なカバーだ。

この時期のディランの弾き語り曲は、ロックに慣れた耳にはやや地味で晦渋でもあったりするのだけれど、正直バーズがカバーしてくれたおかげで、実はディランの曲はメロディも豊かで、ポップな魅力さえあることも知ったのだった。

正直この「自由の鐘」も、バーズのバージョンを聴くまではこんなに良い曲だとは気が付かなかったし、『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』のほうも最初はピンと来ていなかったのだけれど、バーズの数々のカバーを聴いてからあらためて聴き直すと、こりゃなかなかの名盤ではないか、と思うようになったものだった。

ぶっちゃけ、わたしがボブ・ディランの面白さや奥深さに気づいたのはバーズのおかげだったと言っても過言ではないのだ。

↓ ボブ・ディランのオリジナル。