ヒストリー・オブ・ロック2005【最終回・ロックンロール誕生から50年】Greatest 10 Songs

Silent Alarm [12 inch Analog]

2005

1955年に誕生したロックンロールは、この2005年で50周年を迎えた。キリもいいところなので、この【ヒストリー・オブ・ロック】のシリーズも今回で最終回としよう。

この2005~6年あたりはわたしはわりと熱心にリアルタイムのロックを聴いていた。
この時期にイギリスで起きていた「ポスト・パンク/ニュー・ウェイヴ・リヴァイヴァル」という流行は「そこ来るのか?」という新鮮味に加え、なかなか面白いものもあったし、ついでに本家のポスト・パンク、ギャング・オブ・フォーやバウハウス、キリング・ジョークなどをあらためて聴きなおして、個人的に再評価もした。

さて、しかしその後のロックについては、わたしには「何が良いのかさっぱりわからない」ものが急速に増えていった。それはわたしが40代に突入したことも関係があるのかもしれない。20代の若者たちのやる音楽に共感しづらくなったとしてもそれは仕方のないことだろう。でもわたしは今でも年寄りよりも若者のほうが好きだけれども。

21世紀に入ってロックという音楽を聴く人口が減っていったのは事実だ。アメリカでは2017年に、CDやストリーミングの音楽ジャンル別売り上げで、ついにロックはヒップホップに抜かれてしまった。ロックとは、20世紀に人気のあった音楽なのだ。

ロックが完全に終わったというわけではないが、最盛期を過ぎたことは間違いなさそうだ。
でもだからといってこの先、才能ある素晴らしいアーティストが新たな名曲や名盤を創造する可能性が消えたわけではない。わたしはそれを常に待っている。

わたしはこのブログでクラシックロックについていつも書いているが、だからと言って、昔の音楽を繰り返し聴くことが好きなわけではないのだ。やはりいちばん聴きたいのは、現代の新鮮なリアリティを持った、最新の名曲なのだ。残念ながらなかなかそれに出会うことがないのだけれども。

この後の、2006年以降のロックの歴史はぜひ、その時代を10代、20代でロックに夢中になって過ごした若者に続きを書いてほしいものだ。なんなら【ヒストリー・オブ・ロック】のタイトルを使用してもらっても構わない。わたしはそれをぜひ読みたい。

みなさん、全51回にわたる【ヒストリー・オブ・ロック】にお付き合いいただき、ありがとうございました。この連載期間中、ブログのアクセスも爆上がりして、やったぜと思いました。不安もありましたが、書いてよかったです。近日中には全51回分の一覧記事も公開する予定です。

ブロック・パーティー/ヘリコプター
Bloc Party – Helicopter

Silent Alarm [12 inch Analog]

PP/NWリヴァイヴァルの中でもわたしがとくに気に入っていたのがこのブロック・パーティーだ。カッコいいギター・リフ、勢いのある性急なビートのドラム、ブツ切れの言葉を吐き出すように歌う熱いヴォーカル、すべてがクールだった。

この曲は1stアルバム『サイレント・アラーム』からのシングル(この曲のリミックス・ヴァージョンというのも良かった)。

アルバムは全英3位の大ヒットとなり、この年の英NME誌年間アルバムランキングの1位に選出された。

フランツ・フェルディナンド/ドゥー・ユー・ウォント・トゥ
Franz Ferdinand – Do You Want To

You Could Have It So Much... [12 inch Analog]

フランツの2ndアルバム『ユー・クッド・ハヴ・イット・ソー・マッチ・ベター』からのシングルで、全英4位のヒットとなった。ソニーのウォークマンのCMやアニメ『Paradise Kiss』のエンディングテーマにも使用されるなど、日本でもよく知られた曲だ。

レトロな味わいのメロディとディスコ・ビートという彼ららしい楽曲だ。

マキシモ・パーク/アップリィ・サム・プレッシャー
Maximo Park – Apply Some Pressure

A CERTAIN TRIGGER

イギリスのバンドで、ガレージ・ロック風だったり、PP/NWに寄せたりと、流行りの波にしっかり乗っかったバンドだった。

この曲は1stアルバム『ア・サーテン・トリガー』からのシングルで、全英17位のヒットとなった。

ザ・レイクス/リトリート
The Rakes – Retreat

Capture / Release

キレのいい乾いたサウンドがいかにもポスト・パンクっぽくて爽快なザ・レイクスの1st『キャプチャー/リリース』からのシングル。英インディ・チャートで1位を獲得した。

PVも、知らない人が見たら1980年ぐらいの曲だと思うに違いない。

ハード・ファイ/ハード・トゥ・ビート
Hard-Fi – Hard To Beat

Stars of Cctv

労働者階級からのメッセージ的な歌詞に、ポスト・パンクやスカ、レゲエ、ダブを取り入れ、ダンス・ビートに乗せた作風は「ザ・クラッシュの再来」などとも評された、ロンドン出身のバンドだ。

地元のタクシー会社の倉庫を改造したスタジオで録音し、6万円の低予算で自主製作した1stアルバム『スターズ・オブ・CCTV 』は全英1位を獲得し、100万枚以上を売り上げた。

カイザー・チーフス/ライオット
Kaiser Chiefs – I Predict A Riot

Employment [12 inch Analog]

英リーズ出身で、ブリット・ポップ末期の1997年に結成している彼らは、まさにブリット・ポップ・チルドレンと言えるだろう。

この曲は1stアルバム『エンプロイメント』からのシングルで全英9位のヒットとなり、アルバムも全英2位の大ヒットとなった。
ブリット・ポップにNW風味を足したキャッチーな作風だ。まさに英国伝統の味。

ゴリラズ/フィール・グッド・インク
Gorillaz – Feel Good Inc.

Demon Days

ブラーのデーモンが主導するヴァーチャル音楽プロジェクト、ゴリラズの2ndアルバム『ディーモン・デイズ』からのシングルで、iPodのCMにも使われ、全英2位、全米14位の大ヒットとなった。アルバムは800万枚を超す世界的大ヒットとなった。

昔からブラーがイマひとつピンとこないわたしは、このゴリラズというプロジェクトももちろんよくわからないが、この曲は当時かろうじて繰り返し聴いた曲だ。もちろんアニメとかヴァーチャルとかは、それのなにがいいのかわからないけれども。

ザ・ストロークス/ジュース・ボックス
The Strokes – Juicebox

First Impressions Of Earth

3rdアルバム『ファースト・インプレッションズ・オブ・アース』に先駆けて、先行シングルとしてリリースされた曲。全英5位と彼らにとって最高位のヒットとなった。アルバムも全英1位、全米4位の大ヒットとなった。

作風は少し変わったが、さすがはストロークス、芯はブレずにさらに進化してカッコよくなっている。この曲はベースもカッコいいし、歌がまたブチ上がるな。

クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー/イズ・ディス・ラヴ
Clap Your Hands Say Yeah – Is This Love

Clap Your Hands Say Yeah

ニューヨーク出身のクラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーの1stアルバム『クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー』からのシングル。

トム・ヴァーレインを想起させるヴォーカルと、アートっぽいクセのあるサウンドながらポップという、いかにもニューヨークの伝統を継承しているようで嬉しくなる。

フー・ファイターズ/ベスト・オブ・ユー
Foo Fighters – Best of you

In Your Honor

フー・ファイターズ5枚目のアルバム『イン・ユア・オナー』からのシングルで、全米18位、全英4位と、どちらも彼らにとってチャート最高位を記録した代表曲だ。

勇気づけられ、励まされる歌詞と、デイヴの魂の熱唱が感動的な名曲だ。

そして、まだまだロックは死んでいないと思わせてもくれる。

ヒストリー・オブ・ロックの最後はこの曲で締めくくろう。

選んだ10曲がぶっ続けで聴けるYouTubeのプレイリストを作成しましたので、ご利用ください。

♪YouTubeプレイリスト⇒ ヒストリー・オブ・ロック2005【最終回・ロックンロール誕生から50年】Greatest 10 Songs

また、apple musicのプレイリストとしても作成済みです。
apple musicをご利用の方はこちらのリンクからプレイリストにジャンプできます。

ヒストリー・オブ・ロック2005【最終回・ロックンロール誕生から50年】Greatest 10 Songs(goromusic.com)

ぜひお楽しみください。

(by goro)

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コメント

  1. G-taishow より:

    ヒストリーオブロック、見事に完走!!50年分お疲れ様でした。俺は90年代でチョッと付いて行けなくなったけど、締めの「フー・ファイターズ」は、ロックの生き残る可能性を感じさせてくれましたヨ!まぁとにかく、お疲れ様、次回はあれでしょ?楽しみにしてます。

    • ゴロー より:

      あざーっす!!

      まさかG-大将が毎回楽しみに読んでくれてたとは嬉しい驚きでした。ありがとうございます!!

      現在、次の特集を準備中ですが、G-大将も興味のある内容となるかと思いますので、そのときはまたよろしくお願いします!