【きょうの余談】Windows歴25年のわたしが〈Mac mini〉に替えた理由と、もう一生Macでいいわと思った理由。

HP製のデスクトップPCを13年使ってきたけれども、そろそろ老境の域に入ってきた。13年目のPCなんて、きっと人間で言うと90歳ぐらいではないだろうか。

起動には数分かかるし、そもそも3回に2回はエラーが出て起動しない。iTunesは重すぎて、思うように操作もできないし、すぐにフリーズする。再起動するしかないが、やっぱり3回に2回は起動しない。起動しても、なんの断りもなく突然シャットダウンが始まったりする。

いつご臨終になってもおかしくない状況だし、急に逝って、保存されているファイルがすべて取り出せなくなっても困る。

13年使ってきたHP製PC

だから早いところPCを買い替えないと、ともう数年前から思っていたのだけれど、高価なものだし、なかなか踏ん切りがつかずにズルズルと使い続けていたのだ。

現在のわたしは仕事には一切PCを使用することはないし、ゲームなどもしないので、高スペックでなくてもいい。主な使い道は、iTunesで音楽を聴くこと、ブログを書くこと、ネットを見ること、あとは文書ソフトと表計算ソフトぐらいがあれば充分なのだ。
HP製のPCは、人生で最も羽振りのいい時期にカスタマイズ構成して購入したもので、本体だけで20万ぐらいした。今はたいしたスペックもいらないし、羽振りも良くないので、次のPCは15〜6万程度で抑えたいなあとも考えていた。

わたしは音楽のブログを書いているため、特に使う頻度の高いiTunesがサクサク動いてくれることが一番の希望だ。
そうなるとWindowsは今までの経験上iTunesが重く感じていたので、いっそMacにしたらサクサク動くのではないか、スマホもiPhoneだからいろいろと共有・連動できて便利なのではないか、などと考えていたら、ちょうど2月3日に新型の〈Mac mini 2023〉が発売されるという情報が飛び込んできた。しかも税込でたったの84,800円となっている。

これは安い!

これはいいんじゃないか。

このタイミングで新型が発売されるというのも何かの運命みたいに思える。
PCを使うようになって25年、会社はもちろん、自宅PCもずっとWindowsだったけれど、Macに替えてみるのもアリなんじゃないか。
そんなことを考えながら、まだ発売前だったが、ネット情報を集めた。

ひとつ心配なのは、オーディオと接続できるだろうかということだった。
HP製PCには光デジタルオーディオ出力端子が付いていて、光デジタルオーディオ入力端子付きのCDプレイヤーに接続して聴いていたのだ。しかし〈Mac mini〉にはこの端子は付いていない。

調べてみると、USB端子に差して使える光オーディオ変換アダプタというものが存在するということがわかった。これを使えばオーディオと接続できるわけだけど、それには〈Mac mini〉が、USBからオーディオ信号が出力される仕様になっていないといけない。
以前のMacPCで使用できたというAmazonのレビューも一部あったが、なにしろまだ誰も使ったことのない新型だ。本当に使えるのかどうか、こればっかりは届いて繋いでみないとわからない。

それにはちょっと不安もあったが、この値段ならすぐにでも買えるし、光デジタルはどうかわからなくてもなんらかの方法で音楽が聴けることは今どきのPCなら間違いないはずだし、90歳の老PCが明日にでも急逝するかもわからない状況なので、イチかバチか、Appleの公式サイトで予約購入をしたのだ。

基準モデルのストレージ容量はSSDで256GBしかないので、わたしには、それではだいぶ足りない。音楽ファイルなどがシコタマあるのだ。一応この容量はもっと多いものにカスタマイズもできる。しかし、512GBの容量で、112,800円と急に28,000円も上がるのだ。1TBなら140,800円と56,000円も上がる。とんでもないボッタクリだと思う。

外付けのSSDならもっと安く済む。HDならさらにその半値だ。
なのでわたしは〈Mac mini〉は基準モデルを注文し、エレコムの1TBの外付けSSDを別で購入した。1万2千円ほどだった。

先に光オーディオ変換アダプタと外付けSSDも到着し、そして2月3日の発売日には〈Mac mini〉が我が家に届いた。箱に入っていたのはPC本体と電源コードと、Apple製品ではお馴染みのペラペラの取説のみだ。

〈Mac mini〉はモニターディスプレイもキーボードもマウスも付いていない。初めてPCを購入する人ならそれらも揃えないと使えないわけだが、わたしはすべて現在使用しているものをそのまま使うことにした。


早速箱から出して初期設定。
昔のPCはこの時点でネットの接続やらメールの設定やらなんやら、苦心惨憺したものだが、今はもう自動で全部やってくれる感じだ。あっという間にセッティング完了。

そしていよいよ懸案の、オーディオに繋げてみる。

光オーディオ変換アダプターを〈Mac mini〉のUSB端子に挿し、そのアダプターにオーディオから延びている光デジタルケーブルを挿す。

Macのいわゆる「DOC」という、画面の下に並んだアプリたちの中から〈ミュージック〉を開いてサブスクのアカウントでログインし、ローリング・ストーンズでも検索して音楽を再生してみる。

〈Mac mini〉の内蔵スピーカーから小さな音で音楽が聴こえてくる。オーディオは鳴らない。。

ちょっとドギマギしながら、DOCの〈システム設定〉アプリを開くと「出力と入力」というのがあった。出力を「USB SPDIF Adapter」というのに切り替える。

鳴った!!

35年使っているヤマハのオーディオスピーカーからストーンズの「悪魔を憐れむ歌」が鳴り響く。

よかったー。
とりあえず、ひと安心。

しかもその音質は、HP製の老PCより明らかに低音にキレがあって、良い音だ。デジタルなのにそんなに違いが出るものなのかな。たとえ気のせいだとしても、嬉しい気のせいだ。

以前のiTunesにはCDから読み込んだ音楽ファイルが何万とあったのだけれども、今回の引っ越しではそのほとんどを老PCに残してきた。基本的にサブスクのApple Musicを使うので、サブスク解禁していない曲やアルバムだけ、以前の老PCから拾ってくるか、CDから読み込めばいい。

だから当然なのだけれど、iTunesの軽いこと、軽いこと。やっとストレスなく音楽を次から次へと検索しながら聴くことができる。以前は検索するだけで画面が真っ白になってそのままフリーズ→再起動なんてことがしょっちゅうだったからなあ。

ただし〈Mac mini〉にはもちろんCDを読み込むプレーヤーなどは付いていないので、外付けのものを購入する必要がある。まあ、2〜3千円で買えるので、そのうち買うであろう。

とりあえず1ヶ月ほど使ってみたけれども、今のところ〈Mac mini〉の性能や機能になんの不満も感じない。その速度も、13年使った老PCと比べたら当たり前だけれども、なんのストレスも感じない。起動だってこれまでは数分かかっていたけれども、今は数秒だ。

使ってみると意外な便利さもわかってくる。マウスやキーボード、サウンドなど、様々な機能の設定・変更がDOCのシステム設定で全部できるし、パッと見てどうすればいいかわかる感じなので、すごく簡単でわかりやすい。Windowsはコントロール・パネルだかなんだか、どこをどうすればいいのか、OSの更新のたびによくわからなくなったものだ。

また「ライブ変換」という機能らしいけど、文字を入力すると、変換キーを押さなくても勝手にどんどん自動で漢字変換してくれる。その変換の精度もかなり高い。固有名詞の正確な変換なんてびっくりするほどだ。変換キーを押さなくてもいい分、だいぶ文字入力のスピードも速くなる。

iPhoneとは音楽ライブラリも文書ファイルもメモも写真も動画も、もうさまざまな事が連携・共有できるが、細かいところで言うと〈Mac mini〉の方で文字をコピーすると、iPhoneの方でもそのままペーストできるのには驚いたなあ。

あと、WindowsのPCを買い替えると、Microsoft Officeも同時に購入しなきゃならないでしょ。あれが3万円ぐらいして、高いんだよねえ。でも今回は、まあ仕事で使わないっていうのもあって、Appleの無料アプリ「Pages」と「Numbers」がそれぞれ「Word」と「Excel」に対応してるから、高いお金を出して買わなくて済んだのも嬉しい。

互換性があるから過去にWordやExcelで作った文書も全部これで開くので、なんの問題もない。使ってみると、むしろこっちの方が使い勝手がいいぐらいだ。それにこのアプリはiPhoneにも最初から入っているので、PCで作った書類がリアルタイムでiPhoneの方にも反映されていて、どちらでも続きを書くことができる。複数の人と共同作業もできるらしい。まあわたしはその使い方はしないだろうけど。

もちろん、想定と違ったなあと思ったこともある。

「モニター、キーボード、マウスはあるから、そのまま使える」って思っていたのだけれども、たしかに互換性はあるので使えないこともないのだけれど、キーボードはショートカットが使えず手間がかかるし、マウスはスクロールがモタモタしていたり、横方向のウインドウの切り替えができなかったりと、やはり操作性の悪さ、使いづらさが気になってくる。結局、2週間後にはMac専用のキーボードに買い換え、4週間後にはappleのマジックマウスに買い換えた。

キーボードは実は最初はBluetooth接続のものを買ったのだけれど、一部のキーの配置にクセがあったりリターンキーが小さすぎたりで全然慣れないし、ログイン入力する際にBluetoothで接続されるのをいちいち待つのもなんだか嫌で、2週間でamazonに返品した。


Mac用は、他には有線しかなかったので、BUFFALOの2千円台の安物を購入してみたのだけど、これは思わぬ拾い物だった。

Mac用なので、ショートカットなど便利に使えるというのはもちろんだけれども、それ以前に打鍵の感じやキーの大きさ、配置も完璧で、これまで使ってきたキーボードの中でも一番気に入ってるぐらいだ。キーボードを打つ快感ていうのを久しぶりに味わった気分で、ブログを書くのもずいぶん楽しくなった。

マジックマウスは1万円もするので、かなり迷っての購入だったのだけれど、やっぱり便利。右左のクリックは普通のマウスと同じだけど、マウスの表面を指で縦横にスワイプすることで、縦にスクロールさせたり、横にウインドウをスライドさせて切り替えることもできる。この横スライドはWindowsにはない機能で、これがすごく便利に感じる。これは実際に使ってみないと伝わらないかと思うけれど、この指スワイプは想像以上に便利で快適だ。

とまあ、勢い余ってマウスとキーボードも買い替えてしまい、〈Mac mini〉と合わせて総額10万円ぐらいは使うことになったのは想定外だったけれども、それでも以前の、PC本体に20万、Officeに3万使ってたことを考えたら、ずいぶんと安く上がったものだ。

WindowsからMacに替えると、慣れるのに苦労するんじゃないかとも思ったけれども、それもほとんどなかった。iPhoneもそうだけど、基本的にApple製品はハードにしろアプリにしろ、簡単なのだ。直感的な、なんとなくで出来てしまう。だからあんなに取説はペラペラだし、わからないことはネットで検索すればすぐ出てくる。

思いきって〈Mac mini〉にして良かったな。

Windows歴25年のわたしがMac miniに買い換えた理由の1番はその安さ、2番目はiPhoneとの連携、3番目にミュージックアプリの軽い動作(予想)だったけれど、iPhoneとの連携は予想以上だったし、オーディオも良い音で楽しめたし、それ以外にもキーボードやマウスの使い勝手の良さなども上乗せされて、結果は大満足だ。

これをまた十数年使って、買い替える必要が出てきた時には、きっとまた何代目かの〈Mac mini〉を買いそうな気がする。もう一生Macでいいわ。

最後に念のために言っておくけど、これは別にAppleからお金を貰って提灯記事を書いてるわけではないからね。ただの地方在住の肉体労働者のわたしにそんなツテがあるはずもない。

ただ、あまりにPC作業が快適で快楽になったのが嬉しくて、ちょっとはしゃいで書いてしまったというわけだ。

(Goro)

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