No.085 ソニック・ユース/ダーティ・ブーツ (1990)

Goo
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その85
Sonic Youth – Dirty Boots

70年代後半のパンク・ムーヴメントの後、実験と解体と混迷の80年代を経て、90年代は本来のロックの姿を取り戻したかのようにパワフルに活況を呈した。

その始まりを告げたのがイギリスではストーン・ローゼスの登場であり、アメリカではソニック・ユースのまさかのメジャー・レーベルへの移籍、この曲で始まるアルバム『GOO』の発表だった。1990年のことだ。

ソニック・ユースは1982年にインディレーベルからデビューし、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド以降脈々と続いてきたロック界の地下フロアで、おそろしく聴きにくいノイジーで前衛的な音楽をのたうちまわりながら咆哮し、カルト的な人気を博して≪NYアンダーグラウンドの帝王≫と呼ばれた。

しかしドラムがスティーヴ・シェリーに変わったあたりから作風が変化し、アンダーグラウンドの香り漂うダークでノイジーな要素と60年代ロックのようなポップでパワフルな歌が合わさり、「ダーティ・ブーツ」のこの美しくも不穏なイントロで90年代ロックの幕開けを告げることになった。

ソニック・ユースを聴いて、エレキギターとは基本的にノイズを出すための楽器である、ということにわたしはあらためて気づき、ノイズというものは刺激は強いがピュアで美しいものでもある、とも思うようになった。

また、彼らがアンダーグラウンド・シーンからメジャー・デビューするという禁じ手を最初に破り、それ以降地下フロアの才能豊かで個性的なアーティストたちが続々と彼らに続いた。

当時このミュージックビデオに出てくる少女が着ているTシャツをどれだけの人が気に留めたかわからないが、こんなかたちでさりげなくお気に入りの後輩たちを紹介することもあった。
そのバンドが世界中で大ブレイクする、1年3ヶ月前のことである。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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