No.206 エルヴィス・プレスリー/ハートブレイク・ホテル (1956)

Elvis' Golden Records
≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その206
Elvis Presley – Heartbreak Hotel

サンレコードから数枚のシングルを出したのち、RCAに移籍したエルヴィスは1956年1月にこの曲を録音した。
今で言えばメジャー・デビュー第1弾シングルとして発売され、そしていきなり全米1位となった。

そしてこの瞬間から、地球上のいたるところでロックンロールのお祭り騒ぎが始まったのだ。
まさに、世界を変えた1曲と言えるだろう。

キース・リチャーズは自伝に、13歳の時にこの曲を聴いて、「気絶しそうな衝撃、初めての感覚だ、おれはこの出会いを待っていたかのようだった。翌日、目が覚めたらおれは別人になっていた」と記している。

U2のボノも、「白人音楽のメロディやコード進行というヨーロッパ文化と、黒人音楽のリズムというアフリカ文化とが出会って、ロックンロールのビッグ・バンが起こった。そのすべての原点は、エルヴィスにある」と語っている。

わたしがこの曲を聴いたのはたぶん二十歳ぐらいの頃だったと思うけど、ストーンズやビートルズやスプリングスティーンも聴いた後で、時代を遡って聴いたのだった。

≪キング・オブ・ロックンロール≫と呼ばれたエルヴィスのデビュー曲は、わたしが勝手に想像していた力強くマッチョなロックンローラーとは全然違う印象だった。
シンプルな小編成のバンドと、まだ少年のようなか弱さを残しているような声で情感たっぷりに歌われるこの哀し気な音楽に、シブっ、と思わず唸らされた。
そのルックスも含めて、うわぁやっぱりカッコええなと、ちょっと女の子みたいに惚れそうになってしまった。

チャック・ベリーのような明るいロックンロールじゃなくてこんな暗い歌をデビュー・シングルに選んだエルヴィスもまた凄いなあと思う。
ただのエンテーテインメントやヒットソングだけじゃない、なにか切実なものを追い求めていたに違いないのだ。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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