≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その288
Dwight Yoakam – Ain’t that lonely yet
昨日はソニック・ユースで今日はドワイト・ヨーカムという振幅の激しさをお許しいただきたい。
つねに革新的で既成概念を打ち壊すような音楽も面白いけど、伝統的なスタイルで人々の生活の中にあるような音楽の美しさもまた素晴らしいものだ。
この曲を知ったのはつい数か月前のことだ。
わたしがカントリー・ミュージックを聴くにあたって大きな影響を及ぼした3大アーティスト、キャッシュ、ヤング、アンドーのうちの、アンドーに薦められたアーティストだった。
わたしはもう長い間、安易に奇を衒っただけものや、若者がカッコつけて張り切ってるだけの音楽ではない、なんでもないふつうの「ただの良い歌」はないものかと、探し続けていた。昔の歌でもなんでもいいから。
もしかするとアメリカ南部の田舎方面にはわたしがまだ知らない「ただの良い歌」がたくさんあるんじゃないか、と思わせてくれたのがジョニー・キャッシュだった。
わたしは目も耳も口も悪いけど鼻だけは利くやつなので、そんなふうにカントリー・ミュージックを聴き始めたら案の定、膨大な「ただの良い歌」の宝庫にぶちあたったのだ。
この曲は、86年にデビューしたいい声でいい男のドワイト・ヨーカムの5枚目のアルバム『ディス・タイム』に収録された曲で、シングルとしてカントリー・チャートの2位まで上がる大ヒットとなった。
一度聴いただけで口ずさみたくなるメロディと、どちらかというとポップス寄りのアレンジなので、カントリーに苦手意識がある人もぜひ聴いてみてほしい、「ただの良い歌」である。