神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ(2010) 33才の夏休み(2018)

友だちを殺してまで。

【ニッポンの名曲】#28
作詞・作曲:の子

神聖かまってちゃんは、すべての作詞・作曲を手掛けるヴォーカル&ギターの「の子」を中心とした4人組のバンドだ。

この曲は、2010年に発表した彼らの1stアルバム『友だちを殺してまで』に収録された、初期の代表曲だ。

高校を中退してニートやフリーターをしていた(それだけでわたしはもうシンパシーを感じてしまうが)「の子」が、社会の底辺の立ち位置からまっすぐな熱い想いを、無邪気さとともに未来を見通すような鋭さも併せ持って叫ぶ。
ひしゃげたようなサウンドとポップなアレンジの組み合わせによる爽快な疾走感、むせかえるような青春の匂いが立ち上る、わたし好みのパンクバンドだ。

夕暮れ時、部活の帰り道で
またもビートルズを聴いた
セックス・ピストルズを聴いた
なにかが以前と違うんだ
MD取っても イヤホン取っても
なんでだ、全然鳴り止まねえっ
(ロックンロールは鳴り止まないっ/作詞・作曲:の子)

少年が初めてロックを聴いたときの衝撃と、自分が変わった瞬間を歌う歌は、ロック史上のレジェンドたちが繰り返し歌ってきたテーマだが、2010年代においてもまだ繰り返し歌われていることは意義のあることだ。
ちなみにU2が、「ラジオから流れるラモーンズを聴いたときに人生が変わった」と「ミラクル」で歌ったのはこの4年後のことである。

ロックというものは昔から、そのままにしておいたら醗酵したりカピカピになって死ぬような腐り人間に生命を与え、立ち上がらせ、なにかを叫ばせるような、そんな音楽なのだろう。

最近の曲なんかもうクソみたいな曲だらけさ!
なんて事を君は言う、いつの時代でも
だから僕は今すぐ、今すぐ、今すぐ叫ぶよ
君に今すぐ、今、僕のギターを鳴らしてやる
(ロックンロールは鳴り止まないっ/作詞・作曲:の子)

それこそ思春期の体液が迸る轟音のような喜怒哀楽なんて、世代が何代変わろうが「いつの時代でも」同じだし、いつの時代になっても「今、僕がやる」ということにこだわってさえいればいいのだとわたしは思う。
新しい世代がロックを聴いて、古い世代と同じことを思い、同じことを感じたら、同じことを歌えばいいだけの話だ。それに共感する同世代も必ずいるだろう。

それに共感する古い世代も、必ずいるのだ。ヤッホー。

どうやらこの地球上から、ロックンロールは鳴り止まないのです。
よかった、よかった。

ロック・レジェンドの映像だけで作られているこのPVは、の子が無許可で作ったそうだが、当然何度も削除され、まただれかがアップするということが繰り返されているようだ。
そうこなきゃ。ロックなんてそんなもんでいいんだよ。

ツン×デレ

【ニッポンの名曲】#29
作詞・作曲:の子

そしてもう1曲、今月発売されたばかりの9枚目のアルバム『ツン・デレ』に収録されている「33才の夏休み」という曲も、この夏わたしが何度も繰り返し聴いている曲だ。

これを聴いているとわたしは、いい年こいて泣きそうになってしまう。
つくづく、どうしようもないバカだなあと思う。

記事を書いた人(Goro)

愛知県在住。中学卒業後、無知蒙昧のまま社会にさ迷い出て、底辺職を転々した後、地元の映画館に拾われる。映画館に10年勤めた後、レンタルビデオチェーンのバイヤーを20年勤め、現在は再び底辺職で肉体労働の日々に返り咲く。心に平安が訪れている。生活に不満はなし。音楽にはいろいろと救われている。「映画は映画館で観なきゃダメ派」ではない。

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