The 101’ers – Keys To Your Heart
「ザ・ワンオーワナーズ」と読むThe 101’ersは、クラッシュを結成する前のジョー・ストラマーが在籍したバンドだ。1974年にロンドンで結成し、彼らもまたロンドンのパブを中心に演奏していた。
そして1976年4月、The 101’ersの前座として出演した、デビュー前のセックス・ピストルズを観て、ジョーはパンクに目覚めたという。
「ピストルズの最初の曲を5秒聞いただけで、俺たちは古い新聞で、もう過去の物なんだとわかった」と彼は語っている(wikipedia)
その1976年にリリースされた、The 101’ersにとって初めてのレコードがこの曲だった。
しかし、リリースされたときにはすでに彼らは解散していて、ジョーはクラッシュを結成していた。なので、当時正式にリリースされたThe 101’ersのレコードはこの1枚のみである(その後、未発表音源としてライヴ盤などが発売されている)。
いかにもパブ・ロックらしい、シンプルで勢いのあるイントロから始まって、ジョーの歌が入ってくる瞬間はもうほとんどクラッシュだ。なんだか嬉しくてゾワゾワーッとなる瞬間だ。
ジョー・ストラマーは、最初からジョー・ストラマーだった。彼の声は特別美しいわけでもテクニックがあるわけでもないが、誰とも違う独特の魅力がある。
野性的で強靭だが、熱くて、純真で、優しさとユーモアがあって、誰よりもリアルでクールなロック・ヴォーカリストだ。
この1年後に彼はザ・クラッシュの一員として、とてつもなくカッコいいレコードをリリースして、世界中の若者を夢中にさせた。
幸か不幸か、そのレコードによって人生を変えられてしまった若者も少なからずいただろう。
わたしもそのひとりだ。