【映画】『121212 ニューヨーク、奇跡のライブ』(2013米) ★★★☆☆

12-12-12 ニューヨーク、奇跡のライブ

【音楽映画の快楽】
12-12-12

監督:アミール・バーレフ、チャーリー・ライトニング
出演:ザ・ローリング・ストーンズ、ポール・マッカートニー他

2012年10月にニューヨークやニュージャージーなど、アメリカ合衆国東部を襲ったハリケーン〈サンディ〉は、津波による浸水が広範囲に及び、死者170人以上を出し、多くの家屋が倒壊して人々が住む場所を失った、激甚災害となった。

その被害地域のためのチャリティ・コンサートがこの「121212」で、2012年12月12日にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで開催された。

この映画は、ライヴ映像ももちろんあるけれども、それよりも開催にこぎつけるまでの急ピッチでの準備の様子や、ライヴ当日のバックステージの映像などに重点を置いた、ドキュメンタリー作品だ。

力のありそうな大人たちが集まって緊急会議を行い、会場を押さえ、生中継するTV局が決まると、募金の目標額を50億円程度に設定し、開催日は3週間後、猛スピードでアーティストに出演交渉、ステージの設営、募金のWEBシステムなどを構築という、突貫工事もいいところの裏方の様子をカメラが追う。

その結果、短期間で集められたとは信じがたいほど、MSGのステージには前代未聞と言っていいほどの豪華な顔ぶれが一堂に会した。

【出演順】
ブルース・スプリングスティーン
ロジャー・ウォーターズ(ピンク・フロイド)&エディ・ヴェダー(パール・ジャム)
ボン・ジョヴィ
エリック・クラプトン
ザ・ローリング・ストーンズ
ザ・フー
カニエ・ウエスト
ビリー・ジョエル
クリス・マーティン(コールドプレイ)&マイケル・スタイプ(R.E.M.)
ポール・マッカートニー&元ニルヴァーナ(クリス・ノヴォセリックとデイヴ・グロール)
アリシア・キーズ

ステージに登場したミック・ジャガーが「参加できて嬉しいよ。こんな素晴らしいことはない。イギリスの年老いたアーティストがこんなに揃うなんて」と笑わせる。

そのバックステージでは、募金を受け付けるWEBシステムがアクセスの集中でダウンし、関係者の怒号が響きパニックになっているところへ、Google社のなんだか凄い大物みたいなのが通りかかり、「任せろ」と言って電話一本で解決してみせるという、えらくカッコいいシーンもあったりする。

最後は、災害救助にあたった地元の消防士や医療従事者たちをステージに上げて、観客も彼らを讃える。

9.11のときなんかもそうだったけど、アメリカ人はいつも災害救助や救命活動をする彼らへの深いリスペクトを絶やさない。そういうところは日本も見習うべきだな。

現在の新型コロナ禍で、直接患者に対応し、治療や救命活動にあたっている医療関係者や保健所職員、クルーズ船で対応にあたっている自衛隊員などには、1人10万円なんて言わず、1人100万円ずつあげたらいいのに。

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