キッド・ロック&シェリル・クロウ/ピクチャー(2001)

Cocky
【コラボの快楽】
Kid Rock – Picture ft. Sheryl Crow

インディーズでのデビューからおよそ10年間、主にラップ・メタルなどのヒップホップのスタイルで活動してきたキッド・ロックがなぜか突然、シェリル・クロウと共同でカントリー・バラードを書き、デュエットした。
それがこの曲で、全米4位と、キッド・ロックにとって最大のシングル・ヒットとなった。

そしてこれ以降彼は、カントリーやサザン・ロックなどのスタイルの楽曲を中心に発表するようになった。

まるで女に惚れすぎた挙句、趣味も生き方もガラリと変わってしまった男みたいに。
そう考えるとこのPVにも、なんだか生々しいものを感じてしまう。

いや、もともと彼はジョニー・キャッシュやレーナード・スキナードが大好きな、カントリー男、サザン・ロック男だったのだ。なのになんでヒップホップをやっていたのか、その辺の事情はよく知らないが、音楽業界で食べていくためだったのかもしれないし、単なる若気の至りだったのかもしれない。

彼がこの曲のヒットをきっかけに、カントリーやサザン・ロックへ「戻った」のは、この「局の、浮気して別れたけど、結局本当に好きだった彼女のもとに戻ってくるという歌詞に符合するような気もしてくる。
若気の至りで家を出て、派手にやらかした男が、田舎の実家に帰ってきたのかもしれない。

【歌詞についてキッド・ロック自身が語った記事はこちら】

それにしてもこの2人の声の相性の良さは素晴らしい。

ちょっとやんちゃで自由が過ぎるところもあるけど芯はしっかりしてる、似た者同士のカップルの、リアルな告白のように聴こえる。

見た目もなんだか、お似合いすぎる。