ラッシュ(Lush)/ヘイ・ヘイ・ヘレン(1990)

Gala

【カバーの快楽】
Lush – Hey Hey Helen

あのプログレのRUSHではなくて、男女2人ずつの英ロンドン出身のバンドで、1990年にデビューした、LUSHである。

この曲は、1stアルバムの前に発売された、初期のシングルなどを集めた編集盤『ガラ(Gala)』に収録された、アバのカバーだ。

アバはもちろん、あのスウェーデンのABBAである。

アバの1975年のアルバム『アバ(ABBA)』に収録されていた曲だ。シングル・カットもされていないしベスト・アルバムに入ることもないので、一般的にはほとんど知られていないマイナーな曲である。

もう今となっては誰も知らない、20年以上前に解散したマイナーなバンドがカバーしたマイナーな曲を紹介するマイナーなブログをいったい誰が読むのかという疑問が浮かんできて思わずキーボードを叩く指が震えるが、まあどちらにしろ今に始まったことではない。

初期のラッシュは、リード・ヴォーカルのミキ(女子)のファルセット・ヴォイスと、エマ(女子)のコーラスとギターによる透明感あるドリーミィなサウンドが特長だった。

4ADレーベルの先輩、コクトー・ツインズの世界観とシューゲイザーを融合させたようなスタイルは、幻想的で天国的とも言える、独特のものだった。

しかしその初期の編集盤の中で、このアバのカバーにはまた別の光るものがあって、わたしは気に入っていたのだった。
ストレートなビートと彼らのポップセンスが生き生きとしていて、なんだか他のアーティスティックなオリジナル曲よりもこっちのほうが似合ってるんじゃないかと思ったほどだった。

いかにもインディ・ロックらしい、録音が雑で安っぽいところを除けば、このラッシュのカバーはアバのモタモタした原曲よりもずっといい。

↓ アバのオリジナル。

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