【80年代ロックの快楽】
Hanoi Rocks – Don’t You Ever Leave Me
Hanoi Rocks – Don’t You Ever Leave Me
1981年にデビューしたフィンランドのハノイ・ロックスは、ボウイやロキシーのような異常天才たちではなく、TVの歌番組をにぎわせて少女たちを夢中にさせたほうのグラムロックたちの魅力を受け継いだのだろう。
フィンランドのバンドなのにハノイというのがややこしいが、日本で言えばモンゴル800(車の名前かと思った)やルーマニア・モンテビデオ(どっちなんだ!)みたいなものか。
この曲は1stアルバムにも収録されているが、これは3rdアルバムに再収録されたほうのバージョン。
1stのラフな感じのバージョンもいいが、こちらは完成度が高くなって、いかにも売れ筋のプロデュースとなっている。
この曲を聴くと、フィンランドでハノイなのにもかかわらず、その後のアメリカ西海岸の怪物のように売れたハードロック系のバンドたち、ボン・ジョヴィからガンズ&ローゼスぐらいにまで影響を与えているんだろうなあと想像できる。
その意味でハノイ・ロックスも、ロック史にひとつの潮流を生んだ革命的なバンドのひとつなのかもしれない。
時代のあだ花みたいに見えた70年代のB級のグラムロックたちもまた、一瞬で消えたようにも見えたけど、めぐりめぐって地球上のいろいろな場所で影響を及ぼしながら、ロック史に深い爪痕を残していたようだ。