リチャード・アシュクロフト「ミュージック・イズ・パワー」(2006)

【21世紀ロックの快楽】
Richard Ashcroft – Music Is Power

リチャード・アシュクロフトをご存知の方はあまりいない(失礼)と思うけど、90年代に活躍した「ヴァーヴ」というバンドのフロントマンだった男だ。

ヴァーヴというバンド名を知らなくても、1997年に大ヒットした「ビター・スウィート・シンフォニー」は、イントロを聴けば「ああ聴いたことある!」と思い出す人も多いのではないかと思う。
そのミュージックビデオで、歌いながら街の歩道をひたすらまっすぐに歩き、人にガンガンぶつかりながら、文句を言われてもガン無視して歌い続ける、あの印象的な男がリチャード・アシュクロフトだ。

その「ビター・スウィート・シンフォニー」から9年後にソロで発表した曲だけど、ストリングスのリフレインが印象的な、もうほぼ同じようなコンセプトの曲だ。あの曲が好きな人ならきっと好きになるに違いないと思う。

そしてこの曲のミュージックビデオも、またひたすら歌いながら歩くのだけど、今回は誰にもぶつからずに歩いてるなあ、と思ったらやっぱりぶつかっってしまうのだけどその人に丁寧に謝るシーンがあるのが面白い。
彼も大人になったのだ。なんだかうれしいなあ。
若い頃に人とぶつかるのは未来のための修行のうちだけど、いいオッサンになっても人とぶつかってばかりいたらただの自己チューが止まらないハタ迷惑な頑固ジジイだ。
わたしも気をつけよう。