≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その258
Fleetwood mac – Dreams
わたしはフリートウッド・マックというバンドのことは詳しく知らない。
それでも1969年のアルバム『英吉利の薔薇』を先に聴いていたので、この曲を聴いたときは同じバンドとは思えず、戸惑った。
でもいい曲だ。
メンバー・チェンジするバンドは珍しくないけど、フリートウッド・マックの場合、フロントマンや中心的メンバーがどんどん変わるので、音楽性もがらりと変わってしまう。
この曲が収録されたアルバム『噂』は31週連続全米No.1というとんでもない売れ方をしたらしい。
結果的に路線変更は大成功だったのだ。
この「ドリームス」はスティーヴィー・ニックスという、気だるそうにバカっぽい声で歌う美しい女性ヴォーカルと、イーグルスを思わせるようなシンプルサウンドの組み合わせがとてもいい。
そのある意味で斬新な声は、80年代ニューウェーブの先駆けみたいにも聴こえる。
だいたいがロック好きの男なんていうのはこういう女にメロメロに弱いものだ。
わたしもまあ、もちろん嫌いではない。
こうなるともはやフリートウッド・マックって名前じゃなくてもよさそうなものだけど、まあべつに初期の音楽性を守り通さなければならないという法があるわけでもなし、同じ看板で新事業をするバンドがあったっていいのだろう。