名盤100選 80 シンディ・ローパー『N.Y.ダンステリア』(1984)


どうも、ごろーです。
特技は長いブログを書くことです。
とくにこれをガラケーで見ているみなさん、ほんとうにいつもご苦労様です。そして、ありがとうございます。
ブログなんか書いても1円にもなりませんが、でもみなさんが読んでくれてるというただそれだけのことをモチベーションにして、書き続けています。
今後ともよろしくお願いします。

このブログも80回目ということで、80年代のアルバムを書くことにしよう
シンディ・ローパーである。
80年代を象徴するアルバム、と言ってわたしが真っ先に思い浮かべるのはマドンナの『ライク・ア・ヴァージン』、マイケル・ジャクソンの『スリラー』、ブルース・スプリングスティーンの『ボーン・イン・ザ・USA』、そしてこのシンディ・ローパーのソロ・デビュー・アルバムである。

80年代以外の何物でもないチープなサウンド、しかし今聴いてみるとこの時代のシンセの音は、これはこれで面白い、良い音だなあと思う。
でも当時のわれわれが衝撃を受けたのは、やはりこのヴォーカルスタイルだ。
奔放でエキセントリック、気取らない可愛らしさと男にも負けていないパワフルな魅力は、80年代のジャニス・ジョプリンと言えるかもしれない。

1980年にブルー・エンジェルというバンドでデビューするもののまったく売れずにすぐ解散。
自己破産を宣言して古着屋で働いていた30歳のシンディが出したこのソロ・デビュー・アルバムが世界でまさかの800万枚を売り上げることになった。まさにアメリカン・ドリームだ。

でも80年代なんて、わたしは嫌いだったのだ。
バブリーでお気楽な空気、バカみたいなファッション、薄っぺらいチャラチャラした音楽、プロフェッショナルなものより素人くさいことが共感を呼び、もてはやされた時代。
そんな要素がすべてつめこまれたアルバムでもある。

でもそれらが全部そろうと、それはそれでなんだか素晴らしく個性的でハッピーな時代の、二度と戻らないバカまるだしの青春そのものみたいで、今となってはただの、夢のように楽しい音楽である。
そして同時にこの素晴らしいアルバムからは、チープでド派手な衣装に身を包んだ30女の、人生を賭けた本気の想いが伝わってくるのだ。

男も女も、みんな大好きだったシンディ・ローパー。
みんな大好き、なんてことは音楽にはありえないことだけど、なんだか彼女ならそれがありえるような気がするのである。