No.433 クロスビー、スティルス&ナッシュ/組曲:青い瞳のジュディ (1969)


≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その433
Crosby, Stills & Nash – Suite; Judy Blue Eyes

1968年7月、ジョニ・ミッチェルの家に遊びに来た3人のミュージシャン、元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルス、元バーズのデヴィッド・クロスビー、元ホリーズのグラハム・ナッシュが出会ったことによって誕生したグループは、翌年5月に1stアルバム『クロスビー、スティルス&ナッシュ』を発表する。
アルバムは全米6位まで上がる大ヒットとなり、結成から3カ月も経たないうちに、あのウッドストック・フェスティヴァルにも出演した。
ウッドストックでの彼らは、まさに当時のアメリカンロックシーンの新章の主人公のように、熱狂的に迎えられる。

その後、もっとロック色を強めたいというスティーヴン・スティルスの意向でバッファロー・スプリングフィールドの同僚で喧嘩相手だったニール・ヤングをメンバーに加え、2ndアルバム『デジャ・ヴ』をつくる。
『デジャ・ヴ』は前作を上回るセールスを記録し、全米1位の大ヒットとなった。

『デジャ・ヴ』のほうがロック色は強く、アルバムのメインとなる「ウッドストック」のようなカッコいい曲もあれば、「ヘルプレス」のような名曲もあり、楽曲は粒ぞろいで音楽性の幅も広い、ロック史に残る名盤である。
ただし「ヘルプレス」もすでにこの≪500≫には選んだので、ここでは1stのほうから、1曲目を飾る「組曲:青い瞳のジュディ」を選ぼう。

リアルタイムではなく、20年ぐらい遅れて聴いたわたしですら、CS&Nの3人のコーラスのあのぴったり具合、シンクロの凄さには驚いたものだった。
技術的な高さはもちろんだけど、きっと声の音色もたまたまぴったりの相性なのだろう、これほど美しく透んだコーラスも滅多に無いし、アコースティック主体のやわらかいサウンドがこれまたよく合う。わたしの大好物の、なめ茸と大根おろしぐらいよく合うのだ。

この曲の「ジュディ」というのはジュディ・コリンズのことだそうだ。
ジュディ・コリンズは61年にデビューしたフォークシンガーで、大きな青い目が印象的な、ものすごく美しい女性だ。
スティーヴン・スティルスはどうやら、そのジュディにフラれちゃったらしいのだ。