≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その482
Wilco – A Shot In The Arm
ウィルコは、シカゴを拠点に活動しているオルタナ系のロックバンドである。
彼らの音楽を一口で説明するのは難しい。
もともとはオルタナカントリーからスタートしているのだけど、カントリーの要素はほとんど残ってないし、アングラなのは間違いないが、ポップでもあるし、ある意味シュールでもあるけど、シリアスにもふざけているようにも見える。
いったいなにを出してくるのかわからないという意味では非常に興味を魅かれるバンドだ。
新譜が出るたびに今度はどんな音なのかとても気になる。
その意味ではわたしは彼らをアメリカのレディオヘッドみたいに思っているところがあるし、いや音楽性はまったく似ていないのだけど、あのニート感とか、孤立無援の感じはなんとなく共通するものがあると思う。
彼らはまるで、あまりにもたくさんの音楽から影響を受け、いろんなパーツの組み合わせを自由に楽しんでいるかのようにも思える。
ローリング・ストーン誌は彼らを「アメリカ最高峰のロックの印象派」と評したが、そのつかみどころのない、フワっとしたアート感が”印象派”と言わせたのだろう。
この曲は彼らの3枚目のアルバムからのシングルだ。
動画のように、グラム・パーソンズみたいなスーツを着てアコギを弾きながら歌うヴォーカルの横で、ソニック・ユースみたいなやつが騒音を出してのたくっている画はとてもシュールで、それがいかにもウィルコらしいという感じがする。