【21世紀ロックの快楽】その3
Kasabian – Fire
カサビアンなんてまだ若手バンドみたいなイメージなのに、彼らもそろそろアラフォーである。
歳を取ると時が過ぎるのが早すぎて、「ちょっと前の」と思っていることが実際には15年も前だったりするので困ってしまう。
デビューの頃は畑泥棒みたいだった彼らも、すっかりロックスターらしくなった頃の大ヒット曲だ、全英3位まで上がった。
この曲を収録した3rdアルバム『ルナティック・アサイラム』は全英1位に輝いている。
カサビアンは90年代ロックの影響を色濃く受け継いでいるバンドだ。
ストーン・ローゼスがロックにダンス要素を取り入れたのを受け継ぎ、オアシスのメロディを重視したソングライティングを引き継ぎ、プライマル・スクリームのロケンロールセンスとチャレンジ精神を引き継いだ。
ロックの汗臭さもきちんと匂わせながら、すっきりとクールに仕上げるのが上手い、数少ない正統派英国ロックバンドだと思う。
この曲もいかにも彼ららしい、実験性と、ポップと、ロックのカッコ良さが同居した楽曲だ。