【60年代ロックの快楽】
The Jimi Hendrix Experience – Cross Town Traffic
The Jimi Hendrix Experience – Cross Town Traffic
ジミ・ヘンドリックスの一大実験工房のような3rdアルバム『エレクトリック・レディランド』からのシングル。
全米52位、全英37位とあまりパッとしない数字だが、しかしジミヘンはそもそもシングルチャートにあまり結果を残しておらず、あの名曲「紫のけむり」ですら、全米65位と、たいしたチャート・アクションはしていない。この「クロスタウン・トラフィック」は全米・全英の両方にチャート入りした唯一のシングルでもある。
キレのいいギター・リフから始まる、スピード感あふれるカッコい曲だ。
ロック・ファンならジミヘンの名前を知らない人はいないだろうけど、実際のところヒット曲はほぼ無いに等しいし、生前残したアルバムはたった3枚とベスト盤1枚のみ。活動期間はわずか4年ほどに過ぎなかった。
それでもエレキギターの可能性を一気に拡げた、史上最高のロック・ギタリストであることに間違いない。
ロックの歴史とは、エレキギターをどう使うか(あるいは使わないか)という闘争の歴史でもあった。その扉を開放したのがジミヘンだったのだろう。