No.415 サン・ハウス/デス・レター (1965)


≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その415
Son House – Death Letter

ミシシッピ・デルタ・ブルースの伝説の巨人、サン・ハウスは1902年の生まれだ。
農場の小作人だった彼は独学でギターを習得し、独特のギター・スタイルを完成させた。

9歳年下のロバート・ジョンソンはこのサン・ハウスに影響を受けたらしい。
サン・ハウスとロバート・ジョンソンの名前が並ぶと、レジェンドどころかまるで神話の登場人物みたいだけど、ありがたいことにサン・ハウスは1988年まで長生きして、ちゃんと映像も残っている。

1930年に初めてレコーディングし、42年にも国会図書館のために吹き込みを行ったが、その後は音楽をやめて鉄道の仕事に就いた。

それから20年の歳月が流れ、本国ではなくなぜかイギリスの若者たちの熱心なリスペクトと発信によって、ブルースがあらためて世界中で聴かれ始めていた1964年に、サン・ハウスは駅で荷物の運搬人の仕事をしているところを文字通り”再発見”され、カムバックしたのだ。

今にも爆発寸前のエモーションに体を揺らしながら、ケンカ腰みたいなアクセントと怨嗟の入り混じった唸り声、怒り狂っているかのような連続チョップで弦をかき鳴らすスタイルは、よほど辛くて苦しい、やり場のない怒りに満ちた生活を送っていたのではないかと想像してしまう。

この「デス・レター」はサン・ハウスの代表曲だ。
恋人が死んだ知らせを受けて、嘆き悲しむ歌だ。

動画はその64年頃のものだ。
まるで、伝説上の神様の撮影に成功した、衝撃映像みたいなインパクトである。