【60年代ロックの快楽】
The Byrds – I’ll Feel a Whole Lot Better
The Byrds – I’ll Feel a Whole Lot Better
初期バーズのオリジナル曲のほとんどを書いた、ジーン・クラークの作。
スピード感があり、軽快なギターリフを主体とした透明感のあるフォーク・ロック・サウンドはこれぞバーズ流のロックンロール。そして、これこそが「アメリカン・ロック」の原点でもある。
しかし、80~90年代にロックを聴き狂ったわれわれ世代は、一聴して「イギリスっぽい音だな」などと本末転倒なことを思ってしまう。
80~90年代には英国のネオ・アコ系のバンドがこぞってバーズ・サウンドを手本にしたものだ。プライマル・スクリームも1stアルバムはバーズ・サウンドだ。イギリスのロック・バンドというものは伝統的に、とにかくアメリカの音楽に憧れるのである。
米国ではR.E.M.がこのサウンドを受け継いだ。当時のわたしは「R.E.M.ってなんかアメリカっぽくない」などとやはり本末転倒なことを思っていたものだった。無知だったのである。
今はどこでだれが受け継いでいるのかよくわからないが、きっとどこかでだれかが受け継いでいるに違いない。
わたしはきっと見つけ出してみせる。