Them
Baby Please Don’t Go (1964)
アイルランドから最初に世界へと羽ばたいたロックバンドと言えば、ゼムだ。
バンドの作詞・作曲も手がけたフロントマン、ヴァン・モリソンは、当時の”黒い”ブリティッシュ・ビート・バンドのヴォーカリストたち、エリック・バードンやスティーヴ・ウィンウッド、ミック・ジャガーなどに比肩する歌唱力で激アツなブルースやR&Bを聴かせた。
この塩辛い声で、当時モリソンはたったの19歳である。もう、天才というか、バケモノというか。
「ベイビー・プリーズ・ドント・ゴー」は1935年にジョー・ウィリアムズが録音したブルースの古典だったが、ジョン・リー・フッカーが1949年に録音したバージョンを聴いたヴァン・モリソンは「本当にユニークで、何よりもソウルを感じた」と、影響を受けたことを語っている。
他にもマディ・ウォーターズや、AC/DC、エアロスミスなどもカバーしている。
ゼムのバージョンは、1964年11月に彼らの2枚目のシングルとしてリリースされ、全英10位のヒットとなった。
わたしはゼムのバージョンが大好きだ。モリソンのキレのいいヴォーカルや、バンドのタイトな演奏とファンキーなグルーヴ感が滅法カッコいい。いいバンドだ。
そしてこのシングルのB面が、彼らの代表曲となる、モリソン作のオリジナル曲「グロリア」だった。
↓ 全英10位のヒットとなったゼムのバージョン。
↓ ジョン・リー・フッカーの1949年録音のバージョン。
↓ AC/DCによるバージョンはスピード感あふれるさすがの超絶カッコよさ。
↓ エアロスミスのバージョンも熟練のロックンロールバンドらしい一味ちがうアレンジだ。
(Goro)