≪オールタイム・グレイテスト・ソング 500≫ その351
Eagles – Hotel California
世界中でもそして日本でも、問答無用のロックの名曲として最も知られた曲のひとつだ。
あまりに有名すぎて、なにを書いていいかわからないぐらいだ。
美しく印象的なギターのイントロに始まり、わかりやすくドラマチックな歌メロ、エンディングの印象的なギター・ソロ、作り込まれたサウンド、そして謎めいて興味を惹かれる歌詞と、すべてが完璧に揃った、70年代アメリカン・ロックの最高峰だ。
ものすごくいろんな解釈がされるらしいけど、わたしはもう単純に、ちょうどウッドストックがあった1969年以降、ロックは巨大産業と化し、60年代のロック黄金時代のスピリットは失われ、西海岸が愛と自由と夢のカリフォルニアだったのは過去のこと、人々はただ欲望に駆られるままに生きているだけだ、という歌だと思って聴いている。
その歌がまた大ヒットして巨額の富を生んだのは皮肉なものだ。
それは彼らの音楽が世界中で好まれ、共感された結果であって、なにも悪いことではないのだけど、当人たちは複雑な気持ちだったに違いない。
しかし、失われたはずのスピリットはちようどその頃、ニューヨークでふたたび息を吹きかえしていたのだった。(つづく)